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時間
時間は、落ちる
時間が落ちる音は、無い
無音のうちに過ぎ去る時間
水平にすれば透過を防ぐことが出来るのかもしれないが、
等価として時は動かない
落ちるときと同じく無音のままである
一方通行に砂は落ちる
一方通行に私は年を取る
一方通行に時代は過ぎる
一方通行に血は廻る
残る砂が少なくなり、遺る砂がうず高く積もった時、踏歌は止むのだろうか
それとも己の無力に対する罪悪感がひっくり返すのだろうか
硝子の中を砂が通るように、血管の中を鮮血が駆け回り、
私は砂を噛んでいる
砂を噛みしめて、時間を生きている
時間の中を私が落ちている
そうして総てが落ち終わるときに
私の精神は朽ち果てているのであろうか
それとも新しい生が落ち始めているのだろうか
今度は音を立てて
時間
というより
砂時計をイメージしている。