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散文詩  作者: 仙崎無識
17/29

ママチャリなら世界を目指せたのに

世界の片隅に打ち捨てられたような身分


加速してゆく世界に追いつくための術もなく


一人いじけて現実から目を背けてしまえば


前にも後ろにも在るのはただの景色だけ



澄んだ青色の車体(ボディ)に鈍く光る警音器(ベル)


こいつを見た瞬間、うっすらと世界が見えた気がした


変速なんて洒落た機能は付いてないけど


この自転車であの坂を登り切ったら変われる気がするんだ



昨日見た夢を叶えるために今走る


上がる息拍動が世界に自分の存在を知らしめる


自分の意思を伝えるのはこの自転車(ママチャリ)


早く気がついていれば世界を目指せたのに





世界中の誰もに忘れ去られたような気分


気の利いた自己主張(アピール)するための方法も知らず


一人何もせず立ち止まってしまえば


後にも先にも立つのは虚しい後悔だけ



力強く回る車輪に鋭く効く減速器(ブレーキ)


こいつを見た瞬間何かを打ち立てられる気がした


電動アシストなんかに頼ってられない


この坂を登るそれだけのためにこぎ続けてる気がするんだ



明日もまた夢を見るために今走る


拓けた景色水平線が自分の歴史を刻み込む


自分を強く肯定するのがこの自転車(ママチャリ)


もっと早くこぎ始めていれば良かったのに




いつだって決めるのは自分からなのに



仙崎はママチャリじゃないと自転車に乗れません。

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