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同じ世界の異なる人間の行動
何かから逃げるために走ってきた。
その恐怖と不安が己が足を動かしてきた。
脇目をふる暇もなく、唯々走って逃げ続けた。
ふと目の前に紺碧の海と夕日があった。
気づけば荒野の端まで来ていたのだ。
底のない喪失感と敗北感に塗れて振り返ってみると、そこには無限の世界が広がっていた。
何かに出会うために一筋の道を走ってきた。
道幅は狭く、光は原子一粒よりも小さかった。
荒野の端まで辿り着くと、眼前には目を見張るような紺碧の海と斜陽が広がっていた。
迷うことなく飛び込んだ。
其処が自分のいるべき世界だと、知っていたかのように。
世界の端でどのような行動を取るのかは、その人間次第です。