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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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吸血鬼&ゾンビ

吸血鬼&ゾンビ再び

作者: 山田裕子
掲載日:2026/08/17

傷心旅行で乗ったクルーズ船で、吸血鬼と出会い、ゾンビに襲われた。

そんな経験をした私は、最近転居、転職をした。

何の因果か、船で出会った吸血鬼が付きまといだしたからだ。

面白い奴と見込まれてしまい、自宅近くにまで現れた。

勘弁してくれ。もうお前とは関わりたくない。


新しい職場は、スポーツジムだ。

健康的な人々が、楽しく過ごす場所。

吸血鬼やゾンビはお呼びじゃない。

幸い運動には自信がある。

事務兼子供スポーツ教室の補助という仕事になった。

さすがに子供の吸血鬼やゾンビは、いないだろう。

新居も職場から近く、歩いて通勤している。

公園を横切るので夜の人通りは少ないが、朝の通勤時は気持よい。

念のため紫外線対策兼、武器になる日傘も持っている。


今も歩いて家に帰る途中だった。


「ギャオー」


暗がりでゾンビが襲いかかってきた。

またか。

二度目ですからね、こちらも冷静に対処しましたよ。

持っていた日傘で、足を狙って突きを繰り出した。

前回よりもジムで鍛えているからね。

思った通り何度かの突きでゾンビの足がもげ、戦闘不能になった。

人が通りかかる前に、このゾンビを何とかしないと......。


「パチパチパチ」


拍手の音がする。

奴か......。

また見つけられてしまったか......。

何のために引越ししたんだ!


「せっかく引っ越ししたのに、残念だったね。」


引っ越し代を返せ!


「何でゾンビとセットででてくるの?!」


「うーん、ちょっと仲が悪い吸血鬼がいてね。

そいつが嫌がらせにゾンビをときどき送り込んでくるんだよね。」


おまえのせいかー!!

お気に入りのレースの日傘が、ゾンビの皮膚だの、体液だのにまみれている。

高かったのに......。


「ちょっとこれ片付けてくるから、待っててね。」


そう言うと、吸血鬼はゾンビを担いで姿を消した。


よくあんなものを触れるわね。

でもゾンビの死体を片付けてくれるのは、助かる。

今のうちに逃げよう。


「ひどいよ。待っていてって言ったよね。」


遅かった......。


「この際だから言わせてもらうけど、いい加減付きまとうのはやめて!!

迷惑です!」


「ごめんね。他の吸血鬼からも嫌われていて、独りぼっちなんだ。

それで、人恋しくなってしまって......。」


イ、イケメン吸血鬼が寂しそうにしていたって、ほだされないぞ!

騙されちゃだめだ!負けるな、私!


「君の血を吸ったりしないから、こうしてときどき話をするのは、ダメかな?

絶対に危害を加えたりしないから。

久しぶりに人と話が出来て、嬉しかったんだ。」


そうなんだ......。

ゾンビを送ってくるくらい、嫌われてんだね。

少し同情するよ。


「じゃあ、近所の知り合い程度なら。

たまにすれ違って、挨拶する程度なら......。」


「知り合いからスタートだね。

よろしくね。」


そそくさと私はゾンビ襲撃の現場を後にした。



暗闇に消えていく彼女の後姿を見送りながら、俺は、ニヤリと笑った。

うーん、結構ちょろいな。

独りぼっちって言ったら、同情したみたいだ。

こんなに簡単に信じちゃいけないよ。

悪い男にそのうち騙されてしまいそうだ。

確かに他の吸血鬼には、嫌われているけどさ、こっちも結構ひどいことをしたからね。

おあいこかな。

まぁ、知り合いからスタートして、友達、そのうち仲間の吸血鬼になるかもしれないし。

ゆっくりいこう、時間はたっぷりあるんだし。

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