表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラッキーカラー  作者: 遠藤 敦子
4/4

4

 隣の部屋に最近引っ越してきたという30代の大島(おおしま)さん夫婦が、マルチーズを抱えて竹中家に挨拶にやってきた。大島さん夫婦は子どもはいないけれど、2歳のメスのマルチーズのムーと3人で暮らしているという。うめとムーが仲良くなるのに時間はかからなく、すんなり馴染んでいた。凜と敏也がうめと一緒に大島家にお邪魔することもあれば、大島さん夫婦とムーが竹中家に遊びに来てくれることもある。それくらい仲良くなっていたのだ。


 あれから半年後、ムーがマルチーズの赤ちゃんを4匹ーーオスとメスが2匹ずつーー出産したそうで、大島さんの奥様が凜に

「竹中さん家で1匹引き取ってくれない?」

 と話を持ちかけてきた。凜はその場で決断できなかったのもあり、

「主人と相談してみます」

 と回答を保留にする。もう1匹飼いたい気持ちは結婚前からあったけれど、うめがいるのもあり悩んでいたのだ。

 凜は帰宅するなり、敏也にこの件を相談した。敏也は

「結婚前から2匹飼いたいって話してたし、大島さんも良い人だし、迎え入れるならこのタイミングだと思う」

 と2匹目を迎え入れることを前向きに考えている。こうして次の週末に、2人で大島さんの家に行くことに決まった。もちろんうめも同伴で。


 週末になり、凜と敏也とうめは大島家を訪れる。インターフォンを鳴らすと奥様が出てきて、3人を出迎えてくれた。奥様手作りのシフォンケーキと紅茶が出され、ふわふわのシフォンケーキと良い香りの紅茶を片手に2匹目を飼いたいという話をする。うめはムーとおもちゃで遊んでいた。

 ムーの赤ちゃんは4匹とも大きくなり、自力で歩けるまで成長している。凜と敏也はどの子を引き取るか悩んだけれど、うめと同じピンクのリボンを首に巻いた女の子を引き取ることにした。その子は3番目に生まれた次女だという。

「このピンクのリボンの子にします」

 敏也が言うと、大島さんの奥様が子犬を抱っこさせてくれる。敏也の次は凜にも抱っこさせてくれ、2人ともその子に強く惹かれていた。こうしてマルチーズの女の子も竹中家の家族の一員として迎えられることになる。凜と敏也はその子に「ルナ」と名付けた。

 うめとルナを対面させてみると、うめはルナを妹のように可愛がっている。うめも妹ができて嬉しいのだろう。凜と敏也はうめとルナを連れて、大島家を後にした。ルナも竹中家の一員となり、2人と2匹の家族になった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ