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種蒔く者【再筆版】  作者: 星見流人
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ディザストレⅠ

「まずは何から話始めましょうか……」

 ダキシンの執務室にあるソファに腰かけた男は少しだけ考えてから

「そうですな……まずはこの国の成り立ちについてお話しましょう。ダキシン殿、この国……つまり日本という国家が成立したのは何時代か、ご存知ですかな?」

 と切り出した。

「もちろんだ! 江戸時代だ! 江戸幕府を開いた、モモンガー=パトロンペットがゴリスト教を広めるために、日本国聖府を立ち上げたのだ」

「……ははは、総理はご冗談がお好きでいらっしゃる」

 と愛想笑いをしてから

「明治維新から、この国は実験国家として成立したのですよ。初代総理大臣が西欧列強から技術の提供と食料の提供を条件に各種実験を、日本人を実験台にする密約を交わしたのです。これがすべての始まりでした」

 と話をすすめた。

「おお、メイジイシン! どこかで聞いたことがあるぞ! 確か、維新志士の坂本ポンタがフランシスコ=ザビエルに発砲し、海賊船に乗って戦った戦争だな?」

「ははは、やはり総理は面白い方でいらっしゃる」

 一息ついてから、彼は

「戦争実験、災害実験、疫病実験……聡明な総理ならばご存知でしょう? 日清戦争や日露戦争では日本人をモルモットに戦術や戦力データの分析を行いました。関東大震災では初めて地震兵器を使い、人工地震を使い、どの程度被害が出るのか、どの程度死者が出るのか、実験を行いました。ペストが流行ったのも同じです。BC兵器を使い、人工ペストを流行らせ、各種ワクチンを使うことで、副作用について人体実験を行ったのです」

「ふむふむ、いい実験ではないか」

「日本人は悪魔サタンである。この考えに基づいて、彼らと我々は結託し、一部の上流階級を除いて、実験動物として扱いました。もちろん、日本人は愚民であり、情報統制が簡単にできることを織り込んだ上で、です」

「ふむ、下民どもをモルモットにしようが、実験動物にしようが、どうでもいいのだが……我がダキシン一族はどうなる?」

「もちろん、華麗なるダキシン一族には一切手を出しません。これまでも、そして、これからも……続けましょう。日本人サタンは生かしておくわけにはいきません。いずれは絶滅させねばならない民族です。我々、世界人口調節協会は国家絶滅実験を始めることにしました。その手段として、大冥災ディザストレが選ばれたのです」

 男は世界の裏側を話した。

 ダキシンはもう引き返すことができない、ということを暗に知らせたのだが、当の本人はのほほんと男の説明を聞いていた。

こんにちは、星見です。

台風の影響で残暑厳しいですね。

今日は太陽に焼かれながら、パソコンのキーを叩いています。

令和版米騒動といい、なぜか厄介ごとは集中するものですね。


ではまた次回お会いできることを祈りつつ……

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