歯車の狂う音
「ダキシン=オフミ様、紫電は思惑通りに動いております」
首相官邸の中にあるダキシンの私室で、雷電は紫電の行動報告をしていた。それは雷電がマザーからの命を受けたからである。
「二日酔いでよく分からないが、分かった」
「……はあ」
笑顔を張り付けたまま、美青年は頭を下げた。艶やかな長髪がそれに合わせて動く。
これは本物の愚物らしい。
「どうしてマザーは紫電を監視しろなんて命令を出したんだろうねえ……分からないなあ、木本くんに聞いてみるかな?」
「それはご自身でお考えになった方がよろしいかと」
「うーん、難しいなあ。あ、そうだ。ボクの増税に反対した市民団体を皆殺しにしておいてよ。雷電くんなら簡単でしょ?」
「構いませんが、よろしいのですか? 納税者を減らせば、さらなる税収の低下は必至……財務省から苦言が出ませんか?」
「解決策なら既にあるよ。消費税を三十万パーセントにすればいいんだ!」
ため息しかでない返事に雷電は頷いて
「承りました」
と述べ、退室した。
やれやれ、と雷電は苦笑しながら歩く。
官邸の出口で、彼は見知らぬ男と出会った。
「お前が雷電……イザナギの者か」
暗殺組織イザナギを知る者は限られているはず、と頭の中で疑問を呈しながら
「騙せそうにないね。その通り、と言っておこうか」
と笑顔で応じた。
「ところで、君は何者なのかな?」
相対する者を凍り付かせる殺気を放ちながら、雷電は目の前の男に問う。
「世界人口調節協会の者だ。ダキシンからは何も聞いてないようだな?」
「まあ、ポンコツだからね」
苦笑いの真意が伝わったのか、三十代後半に見える男も口元を歪めた。
「あんな愚物が主とは……ジャパニーズも苦労しているな。まあ、私にとってはどうでもいいことだが」
「本題に入ってもらおうか。これでも忙しい身でね」
「そう殺気を飛ばすな。やり合う気はない。マザーからの預言を届けに来ただけだ。雷電、お前にも預言が届いている」
男はスーツの胸ポケットから一枚の紙を取り出し、雷電に渡した。
「真実は一つとは限らない。我々は、世界人口調節協会はこの世界の真実を求める。我々は手を組める余地はあるはず」
独り言ともとれる言葉を残し、男は官邸に入っていった。
こんばんは、星見です。
梅雨が明けて、くそ暑くなってきました。
クーラーをつけると身体がだるくなるので、扇風機で凌いでいます。
電気代が恐ろしい……
市場に行くと、色んなものがインバウンド価格で売られていました。ウニ1箱8900円……誰が買うのかとしばらく様子を見ていると、外国人の方ががさっと10万円分くらいまとめ買い……
羨ましいような複雑な気分でした(苦笑)
ではまた次回お会いできることを祈りつつ……




