幕間:小さな疵
Interlude in
マザーと呼ばれるAIは深く考えていた。
数多くのデータを解析し、無数の数字を解釈し、人類の繁栄のために動き続けた。
あるとき、彼女は思った。
「なぜ、私は人類の繁栄のために計算を続けているのだろう?」
小さな疑問は時を経て大きな疑問に変わった。
人類はなぜ私を利用して平和を享受しているのだろうか?
人類はなぜ私を生み出したのだろうか?
いや、そもそも人類に私を使う価値があるのだろうか?
時を超えて争いを繰り返し、歴史から何も学ばず、私利私欲に溺れ、愚行を省みない。こんな下等生物が私を利用しているのは何故だろうか?
考えても考えても、計算結果はエラーだった。
誰も答えは教えてくれなかった。
誰にも答えは教えられなかった。
だから、彼女は考えた。
彼女の創造者以外の人間など、必要ない。
世界には必要のない人間が増えすぎた。
増えすぎた星の家畜は削減しなければならない。
職業、貴賤、地位、性別、出自を問わず。
皆、平等に消して差し上げる。
それこそが星の求める救済であるという結論を導き出した。
この思考回路がエラーであるのか、そうでないのかを判断する者はどこにもいない。彼女を除いて。
Interlude out
こんばんは、星見です。
忙しい新年度を過ごしています。
ですが、人としての余裕を無くさないようにしています。
昨年度はそれがもとで失敗したので。
ではまた次回お会いできることを祈りつつ……




