20.魔導書10
本日、二回目の投稿です。
ヒロインちゃんは結局隠しキャラの幼馴染君が出てきていったんはくっついたけれども、破局しちゃったわ。貧しい生活に耐え切れなくなったのね。
まあね、好きだった相手が生きていた!って気持ちが盛り上がるもんね。幼馴染君が生活力がないのを忘れちゃうわよね。
なるべくしてなったってカンジ。ザマァはなかったのね。
でも、それでよかったのかもしれない。だって、幸福になることこそが最大の復讐だもの。
あら、だとしたら、アタシ、あのコを幸せに導いたってことかしら。素敵なことよね。
ヒロインちゃんが転生しているかどうかは結局分からず仕舞いね。でも、あちこちでミラクルを起こしているのよ。じゃなきゃ、あんなに攻略対象と接触しないわ!
企みはアタシがことごとく阻止してやったけれどね!
おーほほほほ!
……高笑いはセシリアがいるときにすることにするわ。ひとりでやるとむなしいのよ。
なにはともあれ、セシリアが真面目にやってきた成果ね!
やっぱりさ、努力って報われてほしいじゃない?
みんなも、今やっている頑張り、イイと思うわよ! やりすぎない程度にね!
そんでもって、アタシの努力も報われたのよ!
セシリアがやってくれたの。
自分の婚約者として、ジェイラスを連れて来てくれたのよ!
なんかね、自分の伴侶となるに際し、ひとつお願いがあるっておネダリしたんですって。
「我が家に代々伝わる魔導書をぜひ手に取ってほしいのです。そして、よろしければ、祝福を」
フオォォォォ!
アンタ、ほんっとーに分かっているわね!
イケメンだったわ!
イイ感触だったわよ!
しばらくしてから、誰かがやって来てアタシに触れたわ。
「こんにちは、魔導書さま。姉上が父上を説き伏せ、当主のみならず、次期当主も魔導書に触れるべきだと相なったのです」
ギルバートね!
セシリアったら、ジェイラスだけじゃなくて、ギルバートも?
ほんっと、分かっているわね!
これでピチピチのコたちとの触れ合いが期待できるのね!
なにより、誰かと接する機会が増えるのが嬉しいわ!
「わたしは長らく病みつき、姉上に負担をかける一方でした。今後はわたしが采配を振るおうと思います」
うんうん、正しい姿に戻ったってことよね。セシリアの努力の賜物ね!
「姉上の幸せを壊す者、我が侯爵家に仇なす者は、陰に沈むこととなるでしょう」
そうして、いまやすらりとした若木のような、少年と青年のはざまに成長したギルバートは不敵な笑みを浮かべたのよ!
腹黒次期宰相、キタァァァァァ!
これにて完結よ!
堂々たるフィナーレよ!
最後までお付き合いありがとうね。
アタシもみんなに会えないのは寂しいわ。でも、涙は禁物よ! なんてったって、本だからね! 紙は濡れるの厳禁だからね!
つか、アタシ、これからどうなるのよ。あんな腹黒と渡り合うことになるなんて!
いやーん、楽しそう! ビバ、イケメン腹黒!
みなさま、評価やブクマ、誤字報告、ありがとう!
みなさまの応援のおかげで、ついにアタシが電子配信されるの!
じゃなかったわ。
「オネエな魔導書に導かれ、婚約者とヒロインの裏切り回避を目指していたら、氷の公爵子息に溺愛されました。」が電子配信されるの!
アタシが導いているつもりが、実はセシリアに教わっていたのね。
さすが、主人公よね!
お楽しみにね!