2.魔導書1
本日二度目の投稿です。
気が付けば、異世界にいました。
うんうん、あるわよね。ある!
だが、しかし。
なんで、気が付けば本になってんのよ!
どうして転生した先が魔導書なのよォォォォ!(魂の叫び)
自由に動けないじゃないィ!
本よ、本!
こういうのって、なんかチートをもらって無双するんじゃないの?
それか、モブになって、出歯亀してニヤニヤするもんじゃないの? あ、デバガメってのはのぞき見するってことね!
魔導書なんだけれど、触れられた人の姿が見えて声も聞こえるのよ。何代か前のここの当主がアタシを手にして話したものだから、嬉しくなっちゃってさ。ついつい、あれこれ反応しちゃったのよ。
んでもって、当主も驚いたものの、ノリの良いおじいちゃんでさ、いろいろ教えてくれたってワケ。
話を聞いたら、あらビックリ!
ここって、乙女ゲームの中だったの!
だから、なんで乙女ゲームの転生先が魔導書なのよォォォ!(魂の叫び・再び)
あれでしょ?
ライバル令嬢とかヒロインとかモブとかになって、イケメンに溺愛されてイヤーン!な感じなんでしょ?
魔導書でそれができるかァァァッ!(魂の叫び・再々)
ゼイゼイ、ハアハア。血圧が上がりすぎて、血管切れそうよ。つか、切れる血管もないわ!
第一、アタシったら、うっかり答えたことから、預言書だとか霊験あらたかだとかもちあげられちゃって、取り扱い注意になったらしくて、触れるのは当主のみ!
つまり、接触があるのは、だいたいがおじいちゃんなのよ。たまにおじさんのときもあったわね。
いやあね、どんな禁書だってのよ。健全よ!
まあね、侯爵家のご当主サマたちはイケメンぞろいだったわ。渋いわ。でも、そろそろピチピチなイケメンに触れられたいわ!
名称は魔導書で落ち着いたんだけれど、ふだんはヒマなのよねえ。
なーんて、思っていたら、とうとうピチピチな家人に触ってもらえたの!
女の子だったけれどね。でも、いいわ。新鮮だもの。
しかも、事情を聞けば、逆行ですって!
あらやだ、こっちはこっちでループモノをやっていたのね。
いいわよいいわよ、協力してあげる。
なんたって、アタシ、このゲームは相当やり込んでいるもの。続編も続々編もファンディスクだってどんとこいよ! 攻略本も暗記しちゃっているわよ。フフン。
それに、どうやら、本編開始したみたいなのよね。
まあね、魔導書だからね、参加できないもんね。モブですらねえっつうのよ!
お願いだから、しょっちゅう会いに来て。そしてどうなったか逐一報告して。
たまには虫干しして!
禁書だって本なのよ!
丁重に扱う意味が違うわよ!
紙魚わいたらどうしてくれんのよ!
みんな、アタシのテンションについてきてちょうだいね!
ちょっと、そこのアナタ、引かないで!
そのうち慣れるわ。ヤミツキよ。
転生先が不憫だって思ったら、ブクマや☆☆☆☆☆で応援してちょうだい。
テンション爆上がりよ!