12.魔導書6
本日二度目の投稿です。
今までさんざん魔導書のアドバイスは有益だったって感謝されてきたわ。
ホラ、アタシって今、本じゃない?
だから、人サマの役に立って感謝されるのって嬉しいのよね。まあ、加減を知らないと、預言書とか言われて隔離されて大事に保管されちゃうんだけれどね!
そのせいで当主以外とは付き合いがなくなっちゃうんだけれどね!
セシリアったら、本当にほんとうに、苦手っぽいのよねえ。社交界が。
んもう!
ここってお茶会やら夜会がメイン舞台の乙女ゲームじゃない?
致命的よ!
そんなところでどんなことを話せばいいか分からないなんてさあ!
でもね、あのコも今はとっても頑張っているのよ。
「コウリャクタイショウシャ(この発音、とってもあやふやだったわ!)とやらへの話題を分析してみると、「その方が今なにに興味を持っているのか」が基本です。ならば、情報戦ですわ。より多く情報を集め、その場で力を持つ方の気を惹くことができそうな話題を口にすれば良いのですわね」
なあんて言っていたのよ。
イヤ、アンタ、なんで今まで上手くいかなかったのよ。その通りよ。
あのコ、頭が良いのよ。弟君も聡明だって言っていたものね。パパが宰相なんてやっているんだから、当然っちゃあ当然か。
男に領地経営の話題を振るなってのもね、特にフェアクロフ公爵令息の場合は、甘ったるい夢見がちな意見ならアウトなのよ。マイナスだからしない方がいいわ。
でも、きちんとした話ならプラスなのよね。民のためにっていうセシリアの考えはカレも気に入ると思うわ。攻略法にのっとっているもの。
あ、もちろんジェイラスだからってのもあるわよ。男に男の領域(だと思っている)の話はしない。これ、キホンよ。
セシリアはどう復讐するかよりもまず、自分の足場固めをしたいと言ったわ。
そうよね、アタシなんかはついつい復讐しちゃいたいって思うけれど、それよりもなによりも、自分がシアワセになることが重要だもんね!
分かっているわねェ。ほんっと、アタマが良いわ!
あとさあ、あのコ、ちょっと元婚約者とヒロインちゃんのこと、忘れかけていないかしら。
呆れちゃう?
でもね、復讐とかドロドロした気持ちって忘れるのがイチバンなのよ。ずっとそれに取りつかれていたら、疲れるしね。
「つかれていたら、つかれる」
あらヤダ、ダジャレ?
たまたまよ~。オネエはオヤジギャクを言うって決まりはないのよ!
それはそうと、ヒロインちゃん、あいかわらず手あたり次第なのかしら。
ううん、第二王子と騎士さまは婚約者と仲良くしているみたいだし、セシリアの弟君はめったに外に出てこないしね。となれば、公爵子息?
それともやっぱりハロルドに落ち着いちゃうのかしら。
あらあら、どちらにせよ、セシリア、ヒロインちゃんの邪魔しちゃうんじゃないの??
セシリアに、ヒロインちゃんに「転生者なんですか」とか「逆ハー狙いなんですか」って聞いて来てなんて言えないわあ。酷ってものよ。
だってさ、あのコ、ほら、おトモダチが少なかったでしょう?
その中でおトモダチだったヒロインちゃんに裏切られているんですもの。そりゃあね、妬みからってのは分かっていても、傷ついたと思うのよね。
アタシが頑張るしかないわね!
魔導書のお導きで、セシリアも大分変わってきたわね!
この調子で氷の公爵子息をガンガン攻略するわよ!
つか、セシリア、なんでアンタ、公爵令嬢を攻略しているのよ。
ちょっぴり迷走しそうだけれど、ブクマや☆☆☆☆☆で応援、よろしくね!