おかえし その2
「お父さーん!」
ドアを閉め、靴を脱ぎかけている父に駆け寄る。
父はパッと笑顔で両手を広げる。僕はそのまま飛び込んだ。
「おーー!ただいま青葉!元気だなあ!」
「おかえりー!」
ちょっと頭をゴリゴリと押し付けて、父の手もワシャワシャと押し付けてきて。
「おかえりー」
「ただいま。今日はすぐ上がれてさ」
「私も今日は早めに終わったわ、夕飯はこれからだけど」
「おけおけ、他やるから……」
両親はサクサク家事の分担を話し合い、解散する。
僕はお風呂を洗ったり洗濯を取り込んだり畳んだりする父の横について、今日の顛末を話した。
「ほうほうほう……」
父は時折顎に手をやりつつ感心している。
そして全て聞き終わると、ニヤッとして手を掲げた。
僕もニヤッと笑い、ハイタッチをする。
「やったな!」
「うん!……でもね」
「うんうん……そうだな……お礼かあ……」
父も考えを巡らせているようで、少し作業の手を止める。僕はドキドキしながらそれを見守った。
「幼稚園は……お菓子とか持ってってよかったっけ?」
「あー……そういうのはダメよ。トラブルになるし」
後ろの方から母の声がする。
「そっかぁ……そうだよなぁ……うーん」
「わかんない?」
「いや……うーん……」
父はキョロキョロと部屋を見渡し、アイデアを探る。そしてソファの隣の棚に視線を止めた。
「あっそうだ。これだこれだ……」
「なになに?」
父はニッコリ笑って指さした。
「折り紙だよ。折り紙。青葉いくつか得意なのあったろう」
「んーっと」
「そう……花……あれはチューリップか……」
「お花の折り紙?」
「そうそう」
僕はそこであっと言う。
「たんぽぽの折り紙!わかるよ!」
「おおっ!?」
父はマジか!と声をあげる。
決まった。ちょっと前に園で作ったたんぽぽの折り紙。あれを作って、ももちゃんに渡すんだ。
僕は意気込み、両親も応援するぞ!と笑ってくれた。




