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はじめての恋 その2
「ねえ、なあに?」
君は……『もも』は怪訝な顔をして聞き直す。
「あ、えと、うん……なんでもない!」
僕は恥ずかしくなって、なんだかカッコ悪い気がして、作業に戻ったフリをした。
へんなの。って声が聞こえて、更に恥ずかしくなった。
スコップを握る僕の手は汗と土が混ざってヌルヌルのドロドロになってしまい、とても気持ち悪かったのをよく覚えている。
僕はこの気持ちがなんなのか上手く理解できず、幼い語彙の少ない頭をグルグルさせて考えた。
おかげで頭は痛くなるし、作業は全く進まず友達にからかわれた。
君の手前、余計に恥ずかしかった。
僕は大声でクラスメイトを蹴散らしながらその場を凌いだ。おばかな男児になって、いつも通りに振舞って。
でも内心はじゃれ合いとは程遠くて、隙あらば園庭の反対側で他の女の子と花壇を指さしながら何か話している君をチラチラと見ていた。
幸いその時は誰にも気付かれる事はなく終わった。
それだけが救いだったかもしれない。
幼い僕にはまだ飲み込めてないのもあって上手く返せるはずも無かったから、本当に助かった。




