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第二話 乙女のピンチにございます!!!



狐を抱きつつ執務室に運んだ男は菓子の入っていたかごに毛布を敷きその中に寝かせた


それなりに大きなかごにすっぽりと収まる狐の寝息が響く


「すぴーすぴー」

「ふぅむ…腹が減って行き倒れているというよりもこれはネているのか?」

「ここまで丸ければ腹が減って倒れている訳ではないでしょう。なんともまぁ幸せそうにお眠りなさるフォックスですな」

「ふぅむ…本当に只寝ているだけか?…まあいい仕事が行き詰まってもこの寝顔を見れば気もほぐれるだろう」

「ほっほっほ‥それはそれは良いやも知れませんな…さあてハロルド様、こちらが優先すべき案件でございます」


―――


―――――――――


あぁ・・・おやしろさま・・・・そんなにお野菜をお残しになって…大地の恵みをなんとももったいない…そんなにお残しになっては…じゅるりじゅるり…



「コピュフー…」(またもや私太ってしまいますね!!)


困ったな―太る太ると言う顔は笑顔であり自らの不摂生をどこへやら、供物は神棚に上げると言いますでしょう?そうでしょう


「…フォックスの鳴き声はこんなものだったか…?それに獣でも笑顔になるものなのだな」


なんでしょう?誰か知らぬ声が聞こえますね?おやおや誰や…殿方のお声…?


「コン!?」(ひゃあああ!!すみませぬすみませぬ!!!お客様に寝姿など大変お見苦しい姿をお見せしまして!!!)



「おや…なんだそれっぽく鳴くじゃないか…フォックスなのは間違いなしか」



「コャンッ!!」(なんともまぁお見事な稲穂のように輝かしき御髪なのでしょうか!!)


そこにはなんとメリケンな顔たちの金髪碧眼の輝かしい殿方がこちらを見ているではありませぬか…

あちら様の顔は見慣れぬためあやふやにございますが年月3000を超えたあたりでしょうか?落ち着いた雰囲気の殿方の色香といいましょうか…なんともうっとりと見入ってしまいます…

ああ、人ならばもっと年は若いものでしょうね…まさかこのお顔つきで年下とは人とはなんと儚いものでしょうか


「こちらを見つめて警戒しているのか?…まぁいきなり連れられてきたのだから仕方ないか」


見慣れぬ殿方もさることながら周りの調度品も見知らぬものばかりではしたなくも右にい左に首を向けてしまいます…お社さま?一体ここはどこにてございましょう?



「…ここがどこかわからなくて不安なのだろうか。心配するな、ここは俺の屋敷だ」


なんともまぁおきれいなお声で何の説明になっていない事をいうこの方本当にどなたなのでしょう…


「ふふ…これはきょとんとしている顔だな、なぁに俺が飼ってやるからゆっくり過ごすといい」


妖狐を飼うなど…それはまるで嫁に来いと言っているようで…その様な物言いでは私勘違いしてしまいそうでお恥ずかしくなってしまいます

ええっ解っておりますとも!私が狐にございますからね!からかっておいでしょう?

あれ…?そういえばこの方随分と大きいような…あぁ…私今は人の混じった妖狐の姿ではなく狐そのままの姿なのですね


「警戒が解けてきたか?ほら部屋の中を見せてやろう」


自らの姿を察しているといきなり持ち上げられ胸に抱かれ恥ずかしや、私殿方への免疫などまったくもってないのです

考えまとまらず御心のままになすがままにございます


「ふむ…どっしりとまではいかぬがぽってりとでも言うべきか…やはり丸みが強いな」


でりかしぃのないお独り言に少しばかり異議申し立て死闘ございます


「コンッ!」(この体つきはオヤシロ様のせいにございます!!!いつもいつもこのフテンにお残しを回されまして!!毎食一人半前処理すればこの様な有様当たり前にございます!!)


*小柄な妖狐のお社様サテン狐に山盛り特盛などんぶり飯を毎度配膳しているのだから残すのも仕方のないことです


(まったく…食べぬからあんなにほっそりとサれているのです…私とサテン様を足して割れば程よいでしょうに!!)


「なんだ…怒ったか?ふむ…レディとして丁重に扱わねば怒りもするか…ふふ…申し訳なかった」


そうして私の頭から背中をなでてくださいました


「こん!」(解ってもらえたようでよろしゅうございます!!しかしこうも撫でられると私恥ずかしゅうございます)


初めてあった殿方に触れられても気安いなどと悪感情を思わないのは『いけめんに限る』というお約束というやつですね?この間サテン様が言っておりました時は察せぬ事柄でしたがなるほど今は解るような気がします


「ふふふ…なんだかこちらの言うことが解っているようで不思議なやつだ…」


そう言いながらなんともまぁ甘くも凛々しく神々しいお顔を向けてくださって…私だから殿方に耐性というものがありませんので露骨にも顔を赤らめてしまいます…

お茶濁しの一計を行い周りに視線を向けて誤魔化しますとそこにはなんと大きく見事な姿見が…


「…コン?」(はぇ…?)


そこに映る姿は背丈も高く凛々しく美しいこの殿方に抱きしめられる私のなんとも破廉恥極まりない生まれたままの姿にございました

なぜに私この様な姿にて抱き上げられてございましょう!!!!

もしや…すでに一夜何事かあったのでしょうか!?などと考えていると思い出しました!

えぇ!思い出してしまいました!!!


『ならん!!!えぇと…汝、装備一切を持ち出すこと許さぬ!!!』



「コォンンーー!!!!?」(おやしろさおまぁあああああああ)


思い浮かぶはお社様の鶴の一言狐の一言、なぜに一言発したのかは知らぬ存ぜぬわかりませぬが物騒な言霊にて私の割烹着をも剥ぎ取ってあわやこの場にご追放と相成りました事を察します

このフテンは狐なれど多少の力ある者にございますれば相応の召し物を袖に通すのは礼儀にございます!!それをそれをこの様なお姿を晒すなど!!ああああああ



「おいいきなりどうした・・・?なんだ鏡が怖いのか?少しは言葉が通じると思ったがこんな物に慌てるとはやはり獣か」



ふふっと笑われてしまいました…ええぃご無体!!!お願い申す!!!


「こ…こん!!こん!!」(妖狐人の子の姿でなきにしろ!この様で殿方に抱えられるなど…このフテン…幾千紡いだ御年なれど未だ通じぬ乙女でありまして…これはなんともひどい辱めにてございます…なのでなのではしたないお声を上げるやも知れませぬがご容赦を…)


「暴れなくなったと思ったらプルプルと震えているな…ほうら、怖がるな」


なでなでされる心地よさに羞恥を覚え限界を突破した心の糸はぷつりとほつれてしまいましたのでお声を大にして今のお気持ちを言いましょうとも!!!


「コーーーーーーン!!!!!!!」(いいいやぁああ離してぇええ)


「今度は叫びまくって…ふふおかしなやつだな」


オヤシロ様のご乱心にてご破門追放される羽目となり異世界異界にまで飛ばされたフテン狐の今後はいかに!!!



乞うご期待!!!(未完


考えてみてください…超絶イケメンに全裸で抱きついている様を…そしてそのもちもちお肌を堪能されてしまう様を…大変よろしゅうございます


限界狐状態の主人公視点が減ればもう少し落ち着いた文体になると思いますのでしばらくご容赦ください



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