無双系や追放系は長期連載には向いていないんじゃないかな、主人公の目的が曖昧になりがちだし
さて、私は最近なろうでは異世界恋愛ジャンルをよく読むようになりました。
異世界恋愛ジャンルって大体は主人公女性が容姿も性格も身分も最高の男性と結ばれることが目的なので、紆余曲折はあるもののさほど長い話にならないで、きちんときれいな結末を書かれることが多いので安心できるのですよね。
要は一冊で完結するハーレクイン小説の亜種みたいなものかと。
そして魔王学院の不適合者やワンパンマンなどの無双物を視聴したり読んだり、キングダムやアクタージュを読んだりしていて思ったのですが、やはり物語はきちんと至るべき結末を迎えてほしいし、そのために主人公には物語を終わらせるための明確な目的を持たせてほしいなと。
そしてなろうでは今でも人気の追放系ですが、実は元から最強だったが所属パーティやギルドがそれに気が付いていなかっただけ、もしくは有能だからこそしttで追放というパターンが多く、主人公が抜けたことで元の所属のオアーティやギルドなどが落ちぶれるというざまあ要素が終わってしまうと無双物と同じパターンになりがちです。
悪役冷笑の婚約破棄ももともと令嬢自体は非常に魅力的だったり高い能力があるのに不当に貶められるパターンは多いのですけど。
しかし追放系がいつまでもちやほやさせたいがために意味なく話が引き延ばされがちなのに対して、婚約破棄物は婚約破棄をした馬鹿に比べてずっとまともな男性と結ばれてざまあしつつめでたしめでたしとなることが多いのが大きく違うと思うんですよね。
2010年代前半まで商用ラノベで人気だったISインフィニットストラトスやお兄ちゃんだけど愛さえあれば大丈夫だよね、僕は友達が少ない、俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件などの学園ラブコメや学園戦闘ハーレムがなんですたれたのかといえば、鈍感難聴主人公による意味のないラブコメシーンの引き延ばしによる繰り返しからの人気の低下に対しての苦肉の策の新ヒロイン投下で余計に作品人気が低下し、最終的に強引な終わらせ方をするというパターンばかりだったからだと思います。
そして同じことの繰り返しは飽きるし、主人公が強すぎたり、何でもできてしまうと、意外性もハラハラドキドキ感もなくてつまらなく感じるということです。
簡単に言えばちゃんとした物語は結末に至る過程や変化をちゃんと書くのに対して、そうでないラブコメやバトル物などのお話はただ受けそうなシーンを繰り返すだけになってしまっていることが多いと思うのですね。
これはドラゴンボールや北斗の拳、幽遊白書などの名作といわれる作品ですらですらそうなってしまったよなとつくずく思います。
主人公最強というコンセプト自体については問題ないと思うのですが、主人公が強すぎて敵が何をしても効果がないというレベルだと面白味を感じなくなってしまうのですね。
むろんこれも表現の仕方次第ではあるのですが。
私が魔王学院の不適合者でおもしろく感じたのは魔剣トーナメントまででしたし、ワンパンマンも深海王との戦いまでは面白かったのですが、そのあとのボロスやガロウみたいに下手に理想を持っているような悪役にしてしまうとかえって何をしても無駄なのが見て取れてしまうと萎えるのですね。
ワンパンマンは最初の方はギャグメインの一話完結型の話で敵も使い捨て悪役だったからサイタマが強すぎても対して問題なかったんじゃないかなと思います。
これは水戸黄門や暴れん坊将軍などが毎回同じパターンの繰り返しでも何故か見られるのと同じように思います。
オーバーロードも基本的には主人公無双ですが卑怯な小物な悪役にひどい目に合わされるのはカルネ村の村人や漆黒の剣、ツアレなどその時点では主人公陣営でない人物でニグンやクレマンティーヌ、八本指を倒すことで、彼らから感謝されるし、ニグンやクレマンティーヌ、八本指などがクズなのでやられるとスッキリします。
またリザードマンに対してのコキュートスやガゼフに対してのアインズなどは相手に対してお互いに敬意を評して戦っているので嫌な感じがしないのでしょう。
魔王学院の不適合者の場合はエミリアやディエゴが教師という立場を使ってネチネチとアノスをいたぶってくるので彼らがザマアされてもあんまりスッキリしないし周囲からもさほど感謝されないんですよね。
逆にキングダムの主人公の信は最初から無法者を殺しまくっていた暗殺者を倒せるほど強いですが、龐煖相手には何度も死にそうになって、ようやく倒せた……というか実質相打ちで羌瘣がいなかったら死んでた感じですね。
最初は個人で戦っていたものが、仲間が増え、一兵卒として戦争に加わり、百人長や千人長として指揮できる範囲が違う戦いを描写することで彼のいろいろな面での成長が見て取れて面白く感じるのではないかと思います。
そして戦場での勝敗も毎回勝てるのか負けるのか予想がつかず、ヒヤリとする場面も少なくないからこそ合戦シーンが毎回おもしろいのがキングダムのすごいところだと思います。
歴史SLGとかをやるとよくあるのが戦争が楽しいのは最初だけであとは流れ作業ということですが、勝つための方法がわかってしまうとそうなってしまうのですよね。
またなろうの歴史物でも合戦を毎回魅力的に書くのは非常に難しく、合戦を繰り返すとそのうちにただの結果報告になってしまうこともよくあります。
基本的には最終的に勝つのはわかっているはずなので、その過程をどれだけ面白くできるかが、本来は大事なのですけどね。
歴史ものや戦記と言うジャンルが盛り上がりにくいのも、内政も合戦も同じことの繰り返しになりやすいからだと思うので、キングダムはすごいなと本当思います。
アクタージュも役者志望の女子高生「夜凪 景」が最大手芸能プロダクション『スターズ』のオーディションを受けるものの、審査員にはその演技の素質を理解されず、社長にはその演技の危険性を見抜かれて不合格となるのですが、その選考にかかわっていたこだわりの強い映画監督の「黒山 墨字」と出会ったことで、芸能界に身を通し様々な困難に直面するもそれを乗り越えていくのですが原作者が強制わいせつ罪の疑いで逮捕されて強制打ち切りになったのは本当に残念です。
主人公が雑魚には苦戦しないほど強いけど苦戦したり敗北したりする敵がいるのと、主人公がボスも雑魚も一緒の抜きんでた強さであるのは全く違い、北斗の拳とかドラゴンボール、ワンピースなども主人公は最強だという人もいるのですが、苦戦する相手がいるのかいないのかでそのあたりはだいぶ違うのではないかと思います。
その点で、るろうに剣心は剣心や比古清十郎などが強すぎたのが失敗だよなと思ったりするのですね。
まあそもそもワンパンマンは主人公の目的がはっきりしておらず、ただ敵を倒すだけで物語としての結末を考えてないんじゃないかなとも思うのですが、やはり物語は主人公がきちんと目的を持ち、それを達成してきれいな結末を迎えるというのは大事なんじゃないかなと思います。