表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツメは伸びたら切らないとダメ〜  作者: ともピアノ
1/9

作曲じゃー、キムさん宜しく

薄暗い部屋の中、ジャンジャン激しくなるギター音が

パソコンの動画画面からして釘付けになる女の子がいる。


あー、・・・・この軽快なストローク、うっ、カッコイイー。そして流れるビート、ドンピシャ、絶対、絶対、モノにする。


バンコピーに決定ー、と荒島小鳥は飛び上がってベットから転げ落ちた。キムも転げ落とされた。


直ぐに立ち起きて、中古のエレキギターを肩に掛けて、ピックで回転する様に弦を弾き背中まで伸びる黒髪と首を揺らしている。キムさんも立ち上がって、毛を揺らしながら背伸びする。


見様見真似で、音の入れてないエレキギターを弾きまくる。


この音は何、ビーフラかな、ちょっと寂しさも感じるアレンジがしてある。


自由奔放にエレキギターを弾きまくる荒島小鳥は十四歳、シチサンの髪に、大きくて可愛い黒目の、鼻筋の通った、口の小さい、痩せ型の女の子。

と、キムさん、薄グレーに薄黒模様で、目が切れ目で、唇がセクシーな、アメリカンショートヘアーで、歩く姿は・・・・さん似の猫がいる。

・・・・さんを尊敬してるから。


学校は中学の一年の秋から、行っていない。

それも、原因は、'' 行きたくなくなった " の気持ち一つで、決まってしまった。


両親は共働きで、父は会社勤めで、出張が有ったりと、母は看護師をしていて、二人とも忙しくて日中家にいない。


最初は、二人とも、小鳥の言葉を軽く考えていた、「明日はちゃんと学校行くのよ」と言葉しか掛けなかった。


それが、一ヶ月経ち、二ヶ月と進んで行き、二人は小鳥の事を構わなくなって行った。


そして、担任の先生とも話し合って、少し休む事になった。


「小鳥ー、小鳥ー、いるのー、いるなら返事して、冷蔵庫にあるの温めて、ちゃんと食べるのよ、お母さん行くからねー」


小鳥は返事もせずベットに座り、ヘッドホンから流れる音楽に口でビートを取っていた。

キムさんを腰に横寝して。


母が駅前のマックで買って来たポテトフライを少しずつ齧りながら口ずさむ。

キムさんが、ポテトフライに手を伸ばす。


あー今の良い、直ぐに音楽ノートにメロディを書き込む。

直ぐに、コード進行を本で調べてギターを用意して合わせる。


なな泣かないでー、う歌わないでー、でも、叫びたいのー、ララララリルー。


ダメかー。出だしが、母音だー、これはちょっとやめとこう。


いや、メモは残して。これ大事よ、何かに使えるかも知れないしね。


でも、ダメダメ、ネットに作った曲あげても、イイねが少ない。


もっと、練習しないと行けないなー。


先ずは、指の練習、アルペジオ走行をやらないとな。

三音階は、高音、低音の指使いはしっかり頭に入れて。


ふうー、連続二時間の練習は堪えるなー。

休憩しよう、あー、ポテトフライがふやけちゃった。

キムさん、食べるかー。匂いだけする。


よしっ、マッサージしないとな、少し無理し過ぎた。

大事な手だ。


揉み揉み、手の甲だけでなく腕も肩も回して、ちょっと屈伸運動を行ってと。


休憩時間に作曲と、今日の生演奏配信は六時だったな、後、三時間か、一曲作るぞー、出来れば、二曲、三曲と行きたいんだが、頭が賢くないので、頑張って一曲、一日、一曲と頑張るぞー。


昼間でも蛍光灯を付けた明かりの中、必死で作曲している。


先ずわ、リズムは、エイトビートでいいな、無駄にリズム変えずに、コード進行は、基本のイチロクニゴで、崩さず、

試しに四小節まで、弾いて歌って見よう。


たーだ、ただ、たーだ、ただ、と呼んでばかりいるの君の声が気になってしまう、僕の心に響かないけど、一瞬でも気になる。


なんか、ちょっと、熱々だな。

気分を変えた方が良いな。ありありの言葉を詰めて、行ってみよう。


走る変わる流れる君の瞳、見つめていたいよー。


光る変わる揺れる君の瞳、離したくないよー。


ぼくのテレパシーが、星よりちょっと輝いてるなら。


君のテレパシーは、ちょー度良いんだけどなー。


これでは、コード進行を変えないと行けないぞー。

特に、序盤からCが使えない。


もっと、もっと、パンチもある感じで、熱狂も演出出来る、歌詞とメロディーを構築しないと行けないな。


洗剤と入浴剤にながれ流された綺麗になった床タイル。

強過ぎると避けてきた今まで、私一人だったと。


汗疹と乾燥にながれ悩まされた綺麗になりたい床タイル。

無駄過ぎると避けてきた今まで、私一人だったと。


ダメだ、ダメだ、意味が分かりづらい、インパクトはあるが、言葉の選択が、悪過ぎる。


あー、休憩終わり、先ずは、コード進行を練習しよう。

イチロクニゴ、どこから手を出すか。


やはり鼻歌からだな、コード弾きながら鼻歌だ。

ネットの動画を見てみよう。


この子、良い、少しゴスロリ系の格好してるけど、歌が染み渡ってくる。


サビが良い。詩も惚れ惚れさしてくれる。

目線も目力を感じて、ギターも、ミスがない。

すごいなー、イイねが、千超えてる私も、こうなりたいのになー。


世界中なんて吹き飛ばせ、私に世界はもうお呼びじゃない。


世界中なんて吹き飛ばせ、私に世界はもうお下がりじゃない。


苦痛なんて、喰らえ喰らえ喰らえ喰らえ、世界中に蔓延らせ。


うー三時間かー、歌、作れるのか、作詞、作曲、本当大変だ。歌にならなくても、完成させて生配信するんだ。


一日、一曲をメドに頑張るぞーーーー。

これまでに、三日に一曲、一週間に二曲のもあった。

全然認めて貰えなかった。

でも、めげずに続けている。


やはり、私は歌が好きなんだ、大好きなんだ。

くそっ、悔やむの早いけど、やるだけやってやる。

待ってろ、主張者、君たちに私の歌を聴かせるんだ。

ねえー、キムさん。良い寝息だ。



























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ