2
さて歩きながらこれからのことを考えていこう。
「まず金を稼ぐことは必須条件だしそれに生きていくために情報を手に入れるのも大事だ、あとは神様から貰った力についても検証していかないといけないな。」
そんなことをつぶやきながら俺はまずもらったお金を見てみることにした。
中には何かの花のようなものが書かれている銀貨のようなものが9枚と太陽のような模様の銅貨のようなものがたくさん入っている。
「これは確か10万円入っているって言ってたから多分銀貨1枚が1万円で銅貨のほうはなんまいあるんだ?これ多分銀貨の枚数から推測するに100枚くらいかなとなると銅貨は100円と考えるのが妥当だな」
これだけあれば当面の間だけだけどなにもせずに暮らしていくことは可能だろう。ここの世界の物価はわからないが。
「さてお金の面の心配は今はしなくていいことがわかったし後はもらった力がどんなものか知っておかないといけないな」
俺の予想が正しければこの世界の治安はあまりいいとは言えないだろうから、そのためにも力の使い方を覚えるというのは必須事項だ。
「そもそも何をしたら力を使うことができるんだろうな、なんか特別な動作とか言葉とかあったらその時点で詰みだぞ。そう考えるとなんかやばそうな気がしてきた、本当に大丈夫なんだろうなこれ。とりあえず今後のためにも武器を創っておかないとだな。よーしいでよ刀!」
変なテンションでそんなことを叫んでみたが当然刀は出てこない、なにか別なトリガーがあるのかもしれないな。
考えてみても分からないから今度は別な物を創ってみるか、今度はもっと簡単にイメージできる物だとなんだろうロープとかなら簡単に出来そうだな。
「今度こそ創って見せるぞ」
流石にもう1回叫ぶのは恥ずかしいから頭の中で紐が組み合わさっている物をイメージしてみると、今度はしっかり手の中にロープが現れた。
どうやらこの力はイメージが大事なようだ。
確かに刀なんて実際に見たことはあるけど、触ったことはない。そんな物をいきなり創ることが出来ないのは当たり前のことだった。
「こうなってくると次の都市に行った時に武器屋に行かないたダメだな、あっロープ消えた」
結構持続的に考えておかないとすぐに消えてしまうらしい以外使い勝手が悪いことがわかった
ちなみにお金が目の前にあるんだからそれを創ればいいのではと考えるのが普通だが、そこは1人の元だか日本人としてなにか譲れないものが存在したから創らなかった。
それに神様からもらった力で偽物のお金を創りましたとかなんかいやだからな。
こうなるともっと融通の効く力の方が欲しかったと思う。
「おっそうこうしてる間に都市が見えてきたな」
まだかなり先の方だが防壁のようなものが見えてきた、遠目でみてもかなり大きいことがわかったそれに入り口らしきところには長い列ができている。
あれが神の使いとやらが言っていた都市で間違いないだろう。
もうしばらく歩かないといけないだろうが他の人の前で力の確認をするのはなにか嫌だったからやめた。
列に並んでからも30分ほど待たされたがその後も俺の後ろにはどんどん列ができていってるから、結構栄えている都市なのだろう。
暇だったので俺の後ろの商人っぽい男の人に色々聞いてみるか。ちなみにそうあたりをつけた理由は大きな幌のついた荷馬車から出てきて、恰幅がよく周りとはすこし素材の違う服を着ていたためだ。まあなんとなくだが。
「すまないが俺は悟というのだが田舎から出てきてこのあたりのことは知らないのだがいろいろ教えてくれんか?」
「坊ちゃんなにを言ってるんですか。そんな身なりのいい服を着ていて田舎から出てきたは通用しませんよ。私はヘロンといいます」
「ああすまないわかってしまったかこのことは秘密にして欲しい」
以外鋭いなこの人、確かに今俺が着ている服は向こうの世界で来ていた制服だから身なりは相当いいだろう、そう考えるとこの服を着て都市の中を歩きまわるのはあまりいいこととは言えないな。それにその設定だと色々便利だからそっちをつかわせてもらおう。
「困りごとがお有りでしたら私の経営する商店にぜひ足を運んでみてくだせい」
「ああそうしようこの後一緒に行ってもいいだろうか、服とかも変えたいし色々荷物を入れるリュックも欲しい」
「はい是非そうしてください私もお金を落としてくれる人なら誰でも歓迎いたします」
とても良い笑顔でそう言うが多分これは金を持ってるとわかったからだろうな。
まあ都市についたとしてもやることといえば宿探しくらいしかなかっただろうし、ちょうどいいだろう。
「さてお前のところはどんな商品を扱っているんだ、できれば日用品や役に立つ道具なんかがあれば助かるのだが」
「私のところは一般の客が買い物をするところで、食べ物以外なら大抵のものが一店舗でまかなえます、だから求めているものは全部手に入ると思ってもらっていいと思いますよ」
なるほどこれはいいつながりができたといえるだろう、このほかにもいろいろ質問してみたがこの国の名前はレイン帝国で都市の名前は防衛都市クラリスらしい。防衛都市である理由としては森1個挟んで隣の王国に近い都市だからだそうだ、現在は不可侵条約を結んでいるが森の魔物を押し付けただ、国境を越えただと常に小競り合いは続いているらしい。まあ表面化での争いなんていくらでもやってきたらしいから、お遊びみたいなものらしい、巻き込まれている人たちにとってはたまったもんじゃないが。
硬貨についてはもらったものを使えばたいていどこの国に行ったとしても使えるし、使えないとこでも換金することが可能らしい。ちなみに呼び方はぺルだそうだ。
「次のやつ早く前に進めっとヘロンか久しいな商談はうまくいったのか」
色々なことを質問している間にどうやら俺たちの番が来たらしい。どうやらヘロンは相当なおしゃべりならしく質問してないことまでべらべら話してくれたから俺としてはとても助かった。いくら世間知らずの坊ちゃんだとしても硬貨の名前も知らないとかやりすぎだろうからな。
「はい久しぶりですね門番さんも、それはもう先方が優しかったのでらくちんでしたよ。」
そう言うとただでさえ細い目をさらに細めて愛嬌のある顔で笑った。ただそれは普通の笑いと違い海千山千を生き抜いてきた商人らしさの笑みで、何も知らない俺でさえ少し怯むほどのものだった。
「はっはさすが『陽気ヘロン』は違うな、そこそこ大きなところ程度じゃ相当搾り取られただろうお疲れとしか言いようがない」
「まあ成果はご想像にお任せしますよ。それでそろそろ通ってもいいですか後ろの方々の目線も怖いんで、あと彼の分の通行証の発行も一緒にこれで」
そう言うと自分の分の通行証と一緒に銅貨を1枚取り出して門番に渡していた。
「自分の分くらい払える金は持っているぞ」
「いえいえ未来のお得意様に対する投資なのでこのくらいお構いなく」
「なら世話になろう」
意外と面倒見のいいやつなんだな初対面の奴のためだけに金を払うなんて。
俺は門番から通行証を受け取るとヘロンと一緒に門をくぐった。