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〇月〇日  作者: by sky kt
ある使用人の日常その4
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8月14日

8月14日 


今日はあいにくと天気が雨であったことにより、今日は木野須(このす)家別荘内でゆっくりすることになった。


昨日遅くまで和馬と飲んでいた俺からすると、ゆっくりできて都合の良い一日になってくれたと思う。


一応、室内に居続ける日になることを想定していた俺は、趣味の一つであるボドゲ―をいくつか持ってきていたので、木野須家にこれで遊ぼうと提案してみた。


種類は定番の人生ゲームをはじめ、カ〇ンやモノ〇リーといった複数人で遊べるボードゲームを選んできた。


男性陣と鈴子さんは、ボドゲ―に対して前向きな反応をしてくれたが、木野須姉妹はあまりよろしい反応ではなかった。


どちらも外に出れないことに不満を持っていた感じだったので、ボドゲ―もやりたいと思うモチベーションが低いのだろう。


若くない中年のおっさんからするとこんな旅行のもあっていいと思うけどな。


そんな中、いざ皆でボードゲームを始めると、不満を垂れていた姉妹も徐々にボードゲームに夢中になっていき楽しんでくれていた。


特に長女の方はどっぷりとはまっていた。


個人的に一番面白いと思ったのは木野須家女性陣の負けず嫌い具合だ。


最初は和気あいあいとボードゲームを楽しんでいたはずだったんだが、ゲームが進むにつれて姉妹から重い空気が流れるようになってきた。


それが顕著になってきたのは、ゲーム終盤のことだった。


何だかんだで和馬が一番で終わる盤面であったが、鈴子さんの華麗な逆転劇によって順位が大きく変動し、数ターン目には何故か和馬は一番から最下位に落ちていた。


だが、それに食い掛るように姉妹も鈴子さんと並ぶ勢いの手腕により、1,2,3番の争いは熱い戦いが繰り広げられていた。


ちなみに最初にしていたゲームは人生ゲームでした、はい。


次のゲームとして始めたカ〇ンの時なんか友情どころか家族関係もぶっ壊す勢いで女性陣の外交戦略が凄かった。


もはや、遊びではない本気の何かであった。


今日持ってきたボードゲームらは仮に今日燃やされるようなことになっても悔いはないだろう。


女性陣の負けず嫌いが覚醒した後、核に違いを見せつけられてしまった木野須家+俺の男性陣は誰が最下位になるかの別の争いに変わっており、同じゲーム内で二つの試合が起きているという不思議現象が起きていた。


それからも木野須家女性陣は自分が一番でなければ納得いかなかったのか、何度も何度も次のゲームが始まり、遂には男性陣は闘いを見守るオーディエンスに成り代わっていた。


ただ、進行役として弟は巻き込まれていたが…まあ、ドンマイってやつだな。


俺もできる限り戦いを観戦していたが、頃合いを見計らい本日の夕飯の仕込みをしないといけないという理由で席を外した。


その際、長女がそわそわしていたが、直前のゲーム勝者が双子妹であり、勝利した際のどや顔に腹を立てたのか、再度ゲームに戻って行った。


まあ、俺もあのどや顔には腹立ったから気持ちはわかる。


今日は昨日余った食材を揚げ物にしたりして、少し手を抜いたつもりの献立だったが、作っている最中にどんどん味付けなどに凝ってしまい、なかなかの出来の調理をすることができた。


今日という一日もあっという間に終わり、今回の旅行も残るは最終日だけか。


本当に楽しい時間は早く過ぎてしまうな。




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