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〇月〇日  作者: by sky kt
ある使用人の日常その4
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8月13日

8月13日


 結局、俺は木野須(このす)家のお誘いに甘えて、一緒に彼等の旅行について行くことになった。


今回の旅行先は日本有数の避暑地だ。


和馬のというか、木野須家の別荘がここにあるわけで今回はその別荘に行く。


本来、この時期になると木野須家はよく行っている。


また、いつもは木野須家4人で行っているので、俺も一緒に出掛けることは結構久しぶりだったりする。


子供達が小さい頃は、お守りという役目で付き添うことも多かったが、子供たちが大きくなるにつれてその機会は減っていった。


気付けば、ここ数年は木野須家全員と一緒に出掛けることはなかった。


そう考えたら、この旅行はより楽しみになってくる。


ちなみに、昨年は双子の高校受験が理由で行けなかったが、今年は問題なく決行することになった。


今年は、長女の方が大学受験を控えているはずなんだが、この長女はとても優秀な子であるため、和馬をはじめとした木野須家は特に長女に気を遣う様子もなく、今回の旅行が決定した。


長女自身も受験対策に自信があるっぽい感じだったしな。


確かこの前、志望校は余裕みたいなことも言っていた気がするし。


ぶっちゃけ、この子のレベルならもっと上を目指していい気がするんだがな。


それこそ、都内の最難関といわれる大学も狙えると思うのだが。


 朝早くから出発したおかげか、道は大して混んでおらず、予定より少し早くに目的の別荘に到着することができた。


そして、別荘に着いた俺たちが最初に取り組んだことは、多少埃が目立ち始めている別荘の掃除だった。


俺を呼んだのは実はこのためだったりしてと憂慮していたが、和馬と鈴子さんが申し訳なさそうにしていたので、そんなマイナスな考えは杞憂だったとすぐにわかった。


連れてきてもらっているのに、なんて恩知らずなやつなんだよ、俺は。


そんなこと考えてしまった罪滅ぼしとして、俺のできる限りのことはしっかりやってやろうと、俺は一目散に掃除に取り掛かる。


他の皆もそれぞれ掃除に取り掛かり始めるのだが、双子妹だけは自ら掃除をせず、何故か俺に付き纏い、時間を潰そうとしていた。


しかし、そんなことは他の家族からは許されるはずもなく、皆からの鋭い視線に耐え切れなくなったのか、渋々自分でも掃除をやり始めた。


 それから、皆で一気に掃除したおかげか別荘に着いてから2時間程度で終えることができた。


ただ、別荘に着いたのがお昼前であり、今はおやつの時間を待った方がいいと思うくらいは時間が経ったため、俺はさっそく予め用意していた食材を準備し夕飯の支度に取り掛かった。


木野須家の女性陣が手伝うと申してきてくれたが、丁重に断り、木野須家の皆さんにはぜひとも家族水入らずにの時間を過ごしてもらうように促した。


申し訳ない顔をしていたが、俺としてはこの旅行に誘ってもらえただけでとても感謝しているから、気にすることないのにな。


―さて、美味しいと言ってもらえるよう調理を頑張るとしますか。





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