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〇月〇日  作者: by sky kt
ある少年の日常その3
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7月28日

7月28日 


テスト返却が始まって二日目。


今日は一番赤点フラグがあった古典の返却日であった。


そして古典の時間、ブタ山(古典の教師)から一人ひとり名前が呼ばれテスト返却がされていく。


喜びの声をあげる者もいれば、悲痛な嘆きをあげる者もいた。


そんな中、俺も運命の紙を受け取る。


俺にテストを返すブタ山が不気味な笑顔で俺を見る。


その顔はまるでこれからくる俺の不幸を楽しんでるかの様だった。


現実を知るのが怖くて返却されたテストを直視することができずにいたが、意を決して自分の点数を確認すると書かれていた数字は「31」。


そう、俺は最強の過去の刺客(古典)に勝った。


見事赤点ラインよりギリギリ上の点数を取ることができた。


そして、ふと玄大の方を見てみると彼も勝利を勝ち取ったらしい。


涙を流して喜んでいる姿を見ると共に生き残った仲間としてとてもくるものがある。


やったな玄大!後は恋愛の方の勝利だけだな!


――ちなみに東さんは俺たちと違い、高得点を叩き出しておりました。


そんな幸せの気持ちで赤点ギリギリのテストと共に家に帰ると、なんと母様(かあさま)がわざわざ俺のお出迎えをしてくださった。


なんと息子想いの母親なのだろう。


手を差し伸べる姿はまるで聖母のようだ。


後光が眩し過ぎるせいか顔を直視できないや。


そして透き通った声で聞こえてくる神のお告げ。


俺はその言葉に逆らうことなんてできず、すぐさまお告げ通りに禁断の聖書をバックから出してお渡しした。


数秒の沈黙の後に聖母の手に握られた聖書はくしゃくしゃに握りしめられ、聖母は魔王と化した。


どうやら、例の古典の点数がお気に召さなかったようだ。


そうか、ブタ山はこのことを見越して笑っていたのか。


なんという悪党なんだ、奴は…


そしてごめんなさい、母様(かあさま)


罰はしかと受けますから…


せめて、せめて家の中には入れてください!


…その後、俺は案の定母さんの説教タイムに入り小一時間くらい怒られた。


母さん怒鳴ったりするタイプじゃないけどマジ精神的にくる説教により俺の心は無に帰った。


このまま、出家できるんじゃないかと思ったね、本当に。


それから地獄の説教が終わってから、夕方頃におじさんが帰ってきた。


予め聞いていた予定より早かったけど、おじさんが早く帰って来てくれたおかげで今月から不機嫌オーラをまき散らしていた姉貴が遂にそのオーラを消してくれた。


まあ、最近はそこまでひどくなかったがそれでもおじさんがいるいないで雲泥の差があった。


流石おじさんだぜ!姉貴の機嫌を治してくれるなんて!


けど、どうせならもっと早く帰ってきて母さんの機嫌もどうにかしてほしかったな…



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