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〇月〇日  作者: by sky kt
ある少年の日常その3
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7月26日

7月26日


今日は待ちに待ったテスト最終日。


最後の科目である音楽が終わり、帰りのHRも終わった直後、突然玄大がクラスを飛び出していった。


気になって東と一緒に後を着いて行ってみると、4組の教室に入って大河内さんのところまで行き、遊びの約束をしていた。


いやあ、この行動力には驚いた。


珍しく東も目を丸くしていたくらいに。


けど、肝心な大河内さんはその誘いを渋っていたので失敗に終わるかと胸をハラハラしていた時、大河内さんがこちらが扉から覗っていることに気付いた。


視線がこちらに、多分東に視線を向けると扉のところまで来て、東や俺も含めてみんなで遊ぼうって提案をしてきた。


そしていつの間にか大河内さんの友達二人もその場に混ざり、話がトントン拍子に進んで玄大、俺、東の三人と大河内さん含めた女子三人の計六人で遊ぶことになった。


…大河内さん、あなた思ったよりわかりやすい人だったんですね。


玄大を理由に東とデートできるという魂胆なのだろう。


さり気なく東の手をぎっしり掴んでいるし。


露骨なアピールに俺は若干冷めた気持ちでいたが、一人だけ哀れに気付かない者がいた。


そう、悲しいことに大河内さん目当てである玄大はそのことに気付かず、大河内さんを遊びに誘ったことが成功して喜んでいるだけだった。


まあ、お前が嬉しきゃ俺はそれでいいよ…


んで、結局のところ今週の土曜日に遊ぼうということになった。


女子と遊びに行くなんてリア充してんな、俺って思いたいけど、いささか気まず過ぎる。


ぶっちゃけ行きたくないかも…


家に帰ると相も変わらず姉貴はおじさんの部屋に籠っていた。


姉貴のことだから大丈夫だとは思うが、今回のテスト大丈夫なんだろうか?


一応、今年受験生なわけだし、この時期のテストは結構重要だと思うのだが、今回家で勉強してる感じしなかったんだよな。


もちろん間違っても本人に直接言うなんて愚かなことはしない。


そのあと何が待ち受けているかわかってるからな。


引きこもりの姉貴と違い、妹のほうは自分の部屋はおろか、家にいなかった。


どうやらテストが終わったからか何処か遊びに行ってるんだろう。


あいつまじ女子高生してるな。


そのせいで女子大生になれるか微妙だが。


まあ、これも妹本には口が裂けても言わない。


こんなこと言ったら殺されるだろうからな。


ちなみに我が家のガーディアンこと母親はもちろん家にいて、柔和な笑顔で俺の帰りを迎えてくれた。


テストはどうだったと聞いてきたので安心させるために完璧と答えてあげると、そのままほんわかな雰囲気のまま居間に戻って行った。


本当のことなんて死んでも言えない。


言ったら最後、わが母親の化けの皮を剥がしてしまうことになり、俺が地獄を見ることになるから。


我が家の女性陣は外面は完璧だが、まじ内面の方は性格難について。



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