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〇月〇日  作者: by sky kt
ある村娘の日常その3
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7月29日

7月29日


転校すると告げてから数日後。


学校は本日をもって一学期の終わりを迎える。


終業式をやっている最中はつまらない話ばかりで時間が経つに長く感じていたけど、終わってしまうと呆気ないもので実際の時間も30分程度しか経っていなかった。


その後は先生達も早く帰りたいのか、帰りのHRをテキパキ済ませてくれてあっという間の1学期最後の日であった。


あの方が住む地域に引っ越すのは夏休み明けの9月から。


明日からの1ヶ月間は僕にとって有意義な夏休みであってくれるだろうか。


それとも苦痛な夏休みになってしまうのだろうか。


いや、絶対に楽しい夏休みにしてやるんだ!


タイミングよければあの方とまた会ったり…


学校が終わるとクラスの目立つ男子がクラスの皆でどこか行こうと提案し、ぼくもそれに参加した。


まあ、ぼくの送別会も兼ねているとのことだから必然的に参加することになっていたんだけどね。


クラスの皆で幹事の男子が予約していたお店で昼食を食べた後はこの付近きっての遊び場所であるボーリングをして遊んだ。


楽しいことに没頭しているとぼくの中での時間はあっという間に進んでしまう。


ふと、会場の時計を見ると短針は「7」を指していて、昼が長いはずの夏も一気に暗くなっていた。


それから少し経ってボーリングは解散となった。


ぼちぼち帰り始める人もいれば、まだ何処かへ行こうする人と分かれ始める。


ぼくも三次会という形でカラオケに行こうと誘われたけど、この辺で切り上げること丁重にお断りをいれる。


久しぶりの遊んで動き過ぎたせいか疲れもでてきたしね。


いざ、ぼくは寮に戻ろうとするとき、この遊びを企画した男子に呼び止められた。


ほんの少しでもいいから二人っきりにならないかとお願いされる。


学校ではない場所で二人っきりになるのは少しの不安があったけど、時間をかけないということなのでちょっとだけ付き合うことにした。


二人っきりになるので路地裏とかに誘われたらどうしようとびくびくしたがそんなのは杞憂に終わり、みんなとちょっと離れた場所で誘導される。


そして、唐突に彼から告白を受ける。


あまりにも突然のことで驚くぼく。


そして、ぼくの返事を待つ彼。


沈黙の間、ぼくは少し前にあった告白のことを思い出す。


相手の好意を拒絶する行為をまたしないといけないなんて──


その二度目の告白が同じ月にあるとは…


既に答えが決まっているとしても、どうしても直ぐに答えることはできない。


それでも何も言わないままなのはこの人に対しても失礼だからぼくは重い口を開いて一言だけ告げる。


再び沈黙の間が生まれる。


けれど、その間は一瞬で終わった。


彼がぼくの返事に納得したのか、顔を笑わせてぼくに引き留めた詫びを入れながらその場から去っていった。


心の中で再び去っていった彼に謝る。


ぼくにはもう心に決めた人がいるから──



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