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〇月〇日  作者: by sky kt
ある村娘の日常その3
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7月25日

久々の投稿です。

7月25日


今日はいつもより一時間早く起床し、いつもより早く学校に向かう。


通学中も勿論のこと、学校に到着すると普段より学生の数が少なくちょっとだけ新鮮な気持ちになった。


学校に着いたぼくは直接職員室に寄り、担任の先生がいないか確認をする。


担任がまだ来てなかったらどうしようと一抹の不安があったけど、担任は自分の机に座って書類整理に勤しんでいた。


それから、ぼくは担任の机まで行き、昨日親と話し合った転校の、ことを担任に伝える。


転校することを伝えると担任は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする。


あまりにも突然のことで驚かせてしまったようだ。


一応、家庭の諸事情であることだと誤魔化し、詳しいことは親から連絡があると伝えて、ぼくは担任を無理矢理納得させて職員室からそそくさと退室した。


教室に入るとぼくの今日の様子に違和感を感じてくれたのか、友達が何かあったのか訊ねてきたので素直に転校の件を打ち明けた。


打ち明けた直後、友達も担任と同じく鳩が豆鉄砲を食ったように驚いていた。


「せっかく仲良くなれたのに」と悲しそうに言葉を紡ぐ彼女。


ぼくはその姿を見て心が痛んだし、悲しくもなった。


それでも、今更転校しないことにはできないし、転校しないという気持ちは一切芽生えなかった。


結局、ぼくにとってはあの方が何よりも最優先になるんだと改めて実感した。


その後、HRが始まったので気まずい空気は続くことなく一限目の授業へと時間が進んでいった。


今日はテスト返却がメインであり、返ってきたテストは予想を少しだけ上回ったくれて全て80点台であった。


クラスメイト達はもちろん、各教科の先生達もかなり驚いていた。


やっぱり恋する乙女の力は無限大なんだなと改めて身に感じた。


勉強なんて小さな障害にもならないよと。


今日はテスト返却だけの繰り返しだったので、いつもの授業の日々と違いあっという間に今日一日の学校が終わってしまった。


学校の帰りは友達と数少ないカフェに行き、改めて転校について色々聞かれた。


流石に意中の男を追って転校することになったと言えなかったので、将来の夢を実現するためにとありきたりな理由を作りなんとか誤魔化す。


友達はそれ以上追求してくることはなく、応援の言葉をぼくにかけてくれた。


もしかしたら、何か言えない事情があるかと察してくれたのかもしれない。


それでも、彼女は普段通りに接してくれた。


本当に彼女は良い娘だな。


この子と友達になれて本当に良かった。


それからぼくたちは他愛もない雑談に没頭する。


そんな中でぼくはこの一時と、あの方との時間が両立できたらなと都合の良いことが頭の中で浮かぶ。


実現は不可能。


だけど、もし叶えることができたら──


それはぼくにとって素晴らしいものになるだろう。



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