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〇月〇日  作者: by sky kt
ある姉の日常その3
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7月22日

7月22日


学期末のテストが始まって既に三日が経過した。


周りは受験を意識しているためか普段以上にピリピリしている。


それでも中には未だに受験を意識していない者たちもいて、くだらない一夜漬け自慢を仲間内で語り合っていた。


いつもなら馬鹿だなと内心蔑んでいる私だが、今回に至っては私も彼等と同様なのだから笑えない話だ。


テストの出来に関しては大丈夫だと思うがいつもより悪い気がする。


しっかり勉強を欠かさなかったはずなのに。


やっぱり愛しのあの人がいないと私は能力が下がっちゃうようだ。


いいえ、これはあの人を使った言い訳にしか過ぎない。


理由がそうであれ、原因はその事に気が行き過ぎてテストに臨む態勢を作れなかった自分が悪い。


こーゆうときは、あの人とメールをして気持ちをリフレッシュしよう。


テスト返却期間ということもあり、学校は午前中に終了。


すぐさま家に帰った私はすぐさまあの人にメールを送る。


あの人は基本的に携帯を頻繁に見るタイプではない。


それは前々からそうであったから確信をもって言えること。


最近は返信が早くはなってくれたけど、それでも遅いときは遅い。


だから、私は2時間程度は待つ覚悟をしていた。


しかし、意外なことに返信は10分程度返ってきた。


たったこんな些細なことで気持ちがたかぶってしまう私は傍から見たらどう映っているのだろうか?


私自身を客観的に見ると醒めた感じの女だと思っているから、なんだか恥ずかしくて気持ち悪く思えてきてしまう。


けれど、あの人はそんな私を愛しく思っている。


ツンデレとかギャルゲヒロインとか言われからかわれているが、あの人は確かにそんな私を愛おしく思ってくれてる。


だから、今の私の気持ちを知ってくれたらあの人は絶対に喜んでくれるはず。


――言ったら、今日一日からかわれそうだから絶対に伝えないけど!


私にも意地があるんだから!


だってそれを知ったらあの人は照れてしまって素直にお礼は言わないはず。


とどのまり、あの人もツンデレなんだ。


結局、私もあの人も似た者同士ということね。


そう思うと更に嬉しくなってくるな。


この日、私達はずっとずっとメールを続けていて、気付くともう夜ごはんの時間まで経っていた。


お母さんが私をご飯で呼んだことによって今日のメールはお開きとなった。


本当に時の流れは残酷だなあ…


幸せを思う時ほど時間はあっという間に過ぎてしまい、そうでないときは延々と時間が続く。


いずれあの人と結婚したときはどうなってしまうんだろう?


あっという間に死という別れが訪れちゃうのかな…


悲しいな………


寂しいな………


ご飯を食べ終えてからの私はあの人にメールを1件だけしか送れなかった。


それから、今日の夜はとても長いものだった。







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