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〇月〇日  作者: by sky kt
ある姉の日常その3
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7月19日

7月19日


今日は何となくだけど妹の様子がおかしい。


帰って来てからどこか上の空な様子だ。


いつもは感情豊かで明るいのに今日に限っては何か抜け落ちた感じになっている。


心配になり声を掛けてみるものも、何でもないよの一点張りだった。


あまりしつこくしても返って逆効果かなと思い、それからは普段通りに接することに。


他の家族も私と同じ考えなのか、余計なことをせずにいつも通りの態度を貫き通している。


それか、妹の様子に気が付いていないだけなのか。


私は心配だったため、あの人にそのことを相談してみた。


あの人から返信が届くと、『俺も今日はそんな感じだ。』と返信が届く。


妹だけでなくあの人もそうだと知った私は妹以上に心配になり、『大丈夫なの?』とすぐさま返信する。


しかし過剰に反応してしまった私の想いに対して返ってきたメールは『何となくだけど明日には戻っているだろう。多分双子妹も大丈夫だ。』と軽い内容だった。


何でだろう…別に何も悪いことが書いてるメールじゃないのに頭がもやもやする。


それどころかさっきまで心配だった妹に対してふつふつと怒りが沸き上げてくる。


何でだろう?何に私は腹を立てているのか。


まさか嫉妬でもしてしまったのだろうか。


けれど何に対して嫉妬をしたのかな。


あの人が妹と同じと言ったから?


あの人が妹のことを分かったような口ぶりだったから?


妹とあの人との繋がりが私より強いと感じたから?


どんどん良くないこと連想したせいか怒りが体の中にたぎる。


そして怒りの矛先を無理やりあの人に向けて、メールで京都のお土産いっぱい買ってくるように要求した。


いつもだったらそんな理不尽な内容だと文句のメールが返ってくるのに、今日のあの人は素直にわかったと返してきた。


それから私はその後の返信はせず、あの人の部屋に行き彼のベッドに寝転がった。


彼の枕を顔を埋めるくらい強く抱きしめる。


最初は彼の匂いがしたいたけど、今ではもうその匂いはほとんどしなくなっている。


部屋全体の匂いも少しだが埃っぽくなっている気がする。


いや、もしかしたら今の私の気持ちがそう思わせているだけかもしれない。


私とあの人は時間と共に薄らいでいくんだと。


双方お互いが過去になっていくんだと。


………。


あり得ない。


そんなことあり得るわけない。


私とあの人はずっと一緒にいるんだ。


過去もそうだし、これからの未来もそう。


ただ今だけ、この一ヶ月間だけ離ればなれなだけ。


一ヶ月経てばまた一緒になれるんだもの。


――どうやらここ最近浮かれていたせいか、今日の一件が随分と心にきてしまったようだ。


妹に私とあの人の絆が負けるわけがない。


今日だけたまたまだ。


…無関係の妹に嫉妬をしてしまうなんて我ながら恥ずかしいことをしちゃったな。


恋する乙女なんて私のキャラじゃないんだけどな。


こんなキャラこそ妹の方がぴったしな感じなのにね。


そういえばあの子って恋をしたことあるのかな?


もしかしたら私達家族の知らぬ間に彼氏を作ってたり。


もしそうだとしたらお姉ちゃん少し悲しいな。


今度タイミングが良かったら聞いてみようかな、妹に好きな人がいるかどうか。



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