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〇月〇日  作者: by sky kt
ある姉の日常その3
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7月18日

7月18日


気付けば7月も半ばを過ぎ、二日後には期末テストを迎える。


私は自慢ではないけど勉強はできる。


今年は受験の年だけど、志望校は常に模試で安全圏にいるので特に勉学の心配はしていない。


だからテストの点数に困るような残念な頭はしていない。


これはハイスペックなお父さんお母さんに感謝するべきかと思った時もあったけど、双子の弟のことを考えると遺伝について幾ばくかの疑問を持つ。


いや、それか双子の妹の方に全部取られてしまったからかな?


そうなら、別に遺伝に問題があるわけではなさそうね。


正直血の繋がった兄妹にこんなこと言うのはあれかなと思うけど、本当に私の妹は良くできた子だと思う。


成績では私の方が断然に上だけど妹が本気を出せばあっという間に私なんて抜かしちゃうと断言できる。


ただ、あの子は要領が良いせいか自分に必要最低限なことしかやらないのが唯一の悪いところなのかな。


良い意味悪い意味含めてメリハリが極端過ぎると思う。


──そんなことを今日はあの人にメールで相談してみた。


夫婦間での他愛もない会話。


別に深刻な話ってわけではないのだけれど、勉強の話題から双子の話題の流れになったからふとあの人に聴いてみただけ。


あの人は何て送ってくるか待っていたら、少し時間をおいて『やっぱり似た者姉妹なんだな』と返信がくる。


…うーん、別にそんなことないと思うんだけどな…


違うと感じた私は『気のせいじゃない?』とメールを送る。


そして再び少し時間をおき『腹黒そうなところとかそっくり』、『ピーマン苦手な子供っぽいところがシンクロしてる』、『お互いギャルゲキャラ攻略にいそう』等と送られてきた。


……私をからかうメール内容。


それにカチンときた私は速攻に反撃メールを送る。


全く、あの人はすぐに私をからかってくる。


けど、そんな無駄なやり取りも私はとても楽しく幸せな時間に感じる。


本当はもっと前からこんな感じなやり取りをあの人とやりたかった。


振り替えると呆れ返ってしまうくらい私はあの人にツンとした態度を取りすぎていたと今では反省している。


私のちっぽけなプライドのせいで


本当はもっともっとあの人と話したかった。


笑い合いながらお喋りをしたかった。


今度会ったときはしっかりそれを実行しようと思っている。


過去の私ができなかったことを。


だから私は早くあの人と会いたい。


この瞳であの人をしっかりと捉えたい。


この耳であの人の声を感じとりたい。


この口であの人に素直な気持ちを伝えたい。


この身体であの人の温もりに包まれたい。


メールでの繋がりだけじゃやっぱり足りないよ。


最近のメールのせいで、私はよりあの人に依存してしまった気がする。


もう当たり前のことだけれど私にはあの人しかいない。


私はあの人だけのモノ。


あの人は私だけのモノ。


家族や友達も大事だけど、私にとっての揺るぎない一番はもうあの人なんだ。


だから貴方も私を何よりも優先してほしい。


一緒にいてほしい。


愛してほしい。


依存してほしい。


私がそうなんだから。貴方もそうなんでしょ?


──はあ…早く帰って来てほしいな、私のところに。


その時が来たら以前と違い、もっと堂々と甘えてあげるからね、佐久真さん。

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