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〇月〇日  作者: by sky kt
ある使用人の日常
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7月6日

7月6日


昨日の件で俺は村からヒーロー扱いを受けていたのだった。


何故か旧友からもヒーロー扱いだ。


何かむかついたので一発殴っておいた。


英雄になったもんだから村の若いねーちゃん衆が来てくれるかなと思っていたが、そんな夢みたいなことはなかった。


少子高齢化を身近に感じた瞬間でもあった。


まあ、そもそも40過ぎたいいおっさん相手だから村の女性ハーレムとはなるわけないか。


寄ってくるとしたら、フェロモンをムンムンと醸し出す熟れた女性だけかな……うん。


こんなことを考えちまうとは、俺も年取ったな。


若い頃の自分と比較すると侘しさを感じたわ。


それでも、金治さんとこの娘さんがお酌してくれたおかげで十分すぎたが。


この子も最初会った時と比べるとかなり表情豊かになったもんだった。


あの人形みたいな面影は今はどこかに消えてしまっている。


こっちの照れた感じの方が何十倍も良いので何も言うことはないが。


そんなこんなで、村の交友館で行われた歓迎会は本当に楽しかった。


結構俺と年の近い人がいたので話しが思った以上に盛り上がり、談話しているとあっという間に夕暮れになってしまっていた。


夏の昼は長いはずだったが、今日の昼は違うようだ。


本当は今日帰る予定だったが、予定が大きく変わってしまい、もう一日だけ泊めさせてもらうことになった。


帰るのは旧友の都合もあり、朝一だが。


だから泊まることに対して旧友は怒ると思っていたが、そんなこともなく杞憂で終わった。


それどころか、ここに住むとか豪語していた。


宿泊先の亭主の金治きんじさんとは歓迎会で仲良くなり、なんと同い年であることもわかった。


道理でお互いにウマが合うわけだな。


後、一応金治きんじさんの娘さんの命も救っているわけだし、悪印象を持ってもらう方が至難の業か。


そんな仲良くなった俺達は、宿泊先に戻ってからもまた飲んで盛り上がった。


娘さんも同席したが、自分だけお酒が飲めなくて悔しいのかったのだろう、少し機嫌がよろしくなさそうだった。


おっさん達と仲良くなっても仕方ないと思うけどな。


酔いがかなり回っていたせいか、娘さんを構うことをないがしろにしてしまったことは反省しなきゃだな。


そんな無神経な俺は、来年も休みが取れ次第だが泊まりに来ると金治きんじさんと約束をした。


次回はこの村の近くで魚がたくさん釣れる川があるらしいから、そこに連れて行ってもらうことにもなった。


マジ理想過ぎるなこの村は…


初っ端こんなインパクトの強い旅行でこの後の地方巡りが拍子ぬけにならないか少し不安になった。


宴の時ご馳走になったここの地酒を和馬たちへのお土産に決定した。


絶対に喜ぶだろう。


子供たちへのお土産はやっぱりお菓子類とかが良いと思ったので、ここではやめて次回の所で買おう。



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