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〇月〇日  作者: by sky kt
ある少年の日常その2
38/68

7月12日

7月12日


今日はなんていう暑さだ。


ここ最近で一番の猛暑日になった今日は、やる気という気持ちを全て奪い去ってしまうくらい暑かった。


その中、俺たちは一日をやり通して、放課後を迎えた。


俺、玄大、あずまは例の話をするため、冷房の効いた図書室に逃げこむ。


そして昨日の今日で大河内さんの情報を調べることができた俺達は玄大の告白大作戦を開始した。


まず、今回の仕事のMVPと言っても過言ではない俺の手に入れた情報。


まず、大河内さんに彼氏はいなくて、それは今までずっとらしい。


まあ、あれだけ色んな男子を振っている女子だ、そう簡単にお眼鏡に適う異性がいないそうだ。


それでも、今まで一人もいないってのは意外だった。


そして好きなタイプはちょっとミステリアスがある人がタイプだと。


逆に皆に囲まれているような明るく、賑やかな人は苦手だとか。


俺の妹も共感したことだが、案外乙女チックな思想の持ち主で夢見がちな少女の心を未だに持ち合わせているらしい。


少女漫画だと、周りから黄色い声が飛び交う人より、少し近寄りがたい美男子に恋をする女子のようだ。


……もうこれだけのことで、玄大とは真逆に感じるんだが…


後は、好きな食べ物や趣味とかを聞いたりもした。


最近流行りの麺たっぷり油たっぷり、もやしたっぷりなラーメン系が大好物ということにはかなりギャップを感じたわ。


残念ながら俺は食べたことないが、ベジタリアンの亜種らしき人種が生まれるくらいの中毒性のあるラーメンだ、余程おいしんだろう。


機会があったら食べてみたいもんだ。


―参考になる話はこんなもんで、後は俺への罵倒と学校であった愚痴で占めていた。


本当に疲れた時間だったよ…でもそれを耐えただけの価値はある話を聞き出したかなと思う。


てか、逆にあいつがここまでよく大河内さんに聞けたなと感心もあった。


それか女子って普段からこんな話しかしてないのか?


…そう思うと、何か怖いな女の世界。


俺にも浮いた話はあったりしないだろうか…


次にあずまだが、集めた情報は俺と被ってしまい大河内さんに彼氏がいないということだけだった。


そして、当の本人である玄大は大河内さんの帰り道、登校時間、家族構成、身体をどこから洗うか等々―


―お前なんでそんなことまで調査できたんだよ…


ストーカーとか犯罪行為やってないよな?


流石に知り合いから犯罪者ができるのは勘弁だぞ…


とりあえず大河内さんのことは大体わかった。


後はファーストコンタクトをしなくちゃだ。


何事においても最初は肝心だ。


初対面の印象でその人の印象の七割決まってしまうらしい。


―多分だけど。


だから今日の玄大のアプローチは誰が見ても一目散にわかってしまうくらい散々で、玄大に対しての大河内さんが思っているであろう印象は最悪と言っても過言じゃないと思う。


初っ端から危機感がピークに達しようとしていた。


あのバカ、鼻の穴でかくして息荒らせ過ぎだったから大河内さんかなり引いてたじゃないか。


そのせいで連絡交換もできなかったし。


もう駄目かと思っていた俺だったけど、ちゃっかり(あずま)が大河内さんの連絡先を手に入れていた。


流石妹曰く、隠れファンが多いらしいモテ男だ。


ある意味、あずまは大河内さんのタイプに当てはまるんではないかな?


玄大と比較をするのはおかしいけど、絶対に玄大より好感触だし。


あの高嶺の華から連絡先を教えてもらえるなんてできる男は違うね!


俺もちゃっかりして大河内さんの連絡先欲しいくらいだよ!


そして玄大なんかもう何だかよくわからん表情してたし。


けど、これでとりあえず(あずま)がメールで玄大のフォローしてあげてから告白大作戦再開だ。


そういえば、あれから迷惑メールが一通も来ていない。


拒否扱いにして大正解だぜ。


今度からは迷惑メールが来ないように有名サイトだけにするぜ。

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