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僕の異世界(?)見聞録  作者: ナカマヒロ
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貿易都市 アルクスア 12

 シノハラさんは、黙って再度、僕の頭を撫でた。

 つまり、YESということだ。


 「シノハラさんは、僕が異端ディザスターだと、いつから気がついていたんですか?」

 「出会った瞬間から」


 アッサリと答えられる。


 「自分と同じイキモノだと、すぐわかった。人間としての肉体を失う前に出会ってれば、人間のまま能力スキルを使いこなせる手助けをしてやれたんだが、ま、仕方ない」

 「僕は、全然気がつきませんでした」

 「そりゃ、人生経験が違うからな。オマケに制御不能ときてる。危なっかしくてしかたない」


 ハハハと笑われる。

 本当のことなので仕方がない。


 「じゃあ、異端ディザスターって、本当は案外いるんですね」

 「いや。俺が知る限りは、俺自身と息子とお前くらいだ。てっきり遺伝性のものかと思ったが、吹雪みたいな例もあるし、まだ未知数だな。案外、どこかで血が繋がっているかもしれんし」


 息子さん。

 そういえば、マキちゃんが息子さんも強いって言ってたな。


 「息子さんは、自分の能力スキルのことをご存知なのですか?」

 「それな」


 シノハラさんが、肩を竦める。


 「アイツ、異端ディザスターが兄弟の中で自分にだけ出たもんだから、もー反抗期まっしぐらでさ。頑なに秘密にしてやがって。仕方ないから、世間的には能力スキル無効能力ってことにしてやってるの。別に世界征服するわけでもないんだから隠すことなくね?」

 「イヤイヤイヤイヤ!隠しましょうよ。脅威に思われて暗殺とかされちゃったらどうするんですか!」

 「返り討ちにすればよくね?」


 ケロリとしている。

 それは、完全に自在に使いこなせれば無敵なのかもしれないけれど。

 シノハラさんの気ままで破天荒な性格を忘れていた。自由人なのだ。


 もしかしたら、息子さんの方は、超常識人なのかもしれない。


 「えーと、つまり、シノハラさん親子の能力スキルを知っている人は、どのくらいいるんですか?」

 「俺は、公言もしてないが、隠してもないからそれなりにいるんじゃないか?息子の前で『知っている』ことを口にしたら口封じされてるみたいだけどな。真王とかは気付いてて知らん振り決め込んでるだろうな」


 口封じ・・・・

 前言を撤回せざるとえない。

 常識人は、そんなことしない。

 そこまで、息子さんにとっては知られたくない秘密なのか。

 良さんは、やっぱり知っていたのか。だから、シノハラさんと模擬戦をさせたんだ。

 でも、多分、世間に公表する気もないし、僕のことも制御コントロールさえ出来れば利用するつもりもないようだ。

それが、純粋に好意なのか、元魔王としての政治的判断なのか、判断に困るけれど、シノハラさんを敵にまわすと簡単に世界征服されそうなので、恐らくは自由にさせておくほうが危機回避として正しいと良さんは思ったのではないかと想像する。

 僕のことも、制御コントロール出来ないと危険なので、その道筋をつけてくれているのだろう。


 「じゃあ、僕も知らないふりをしておきます」


 うっかり息子さんと出会って敵認定されたら瞬殺されそうだから。

 そういえば、シノハラさんに『死ねない』宣言されていたけれど、あれは大げさな冗談だと思って深く考えていなかった。


 「前、僕に『死ねない』って言っていたのは、異端ディザスター能力スキルに含まれているんですか?」

 「そうだ。この世界に存在するすべての能力スキルが使える。のぞめば不老不死にもなれるし、一度死んでから時間を空けて再生するもの可能だ」

 「不老不死は、わかるんですけど、なんで時間を空けて再生するんですか・・・」


 人間の身体を捨てて、この世界に、この異端ディザスターに対応できる肉体を再生するのに3年かかったという話は、なんとなく理解は出来るけれど、普通に肉体が損傷すれば即時回復すれば良いのではないかと思う。

 シノハラさんは、うーんと頭を掻きながら、


 「昔、刺されて死んだ時に、なんとなく時間を空けようと思ったら出来たから。なんでと言われても困るなあ。そういう能力スキルのヤツがどこかにいるせいじゃないか?」


 サラリと爆弾を落としてくる。


 「なんで刺されて死んでるんですか!」


 一体、どんな剛の者が存在するんだ。シノハラさんが負ける所が想像できない。


 「やー。昔の女が、妻と別れて自分のモノになれってしつこくって。面倒だから、殺されてやったら満足するかと思って」

 「そんなんで殺されないでくださいよ!奥さんがかわいそうじゃないですか!」

 「そうはいってもなあ。しつこい女は本当にしつこいんだよ。お前にもその内わかる」


 あまりわかりたくない。

 そもそも、奥さんがいるのに、別に女の人をつくるという発想が・・・

 この世界では、わりと普通だった・・・

 良さんのことを思い出して少し冷静になった。


 「出来れば、トラブルのない人生を送りたいと思います」

 「そうだなー。まずは、制御コントロール出来るようになれ」

 「はい」


 どんな凄い能力スキルでも、使えなければ意味はない。

 これから努力をしていくとして、今はそれよりも優先事項がある。


 「シノハラさん、僕にラズさんを助ける方法を教えてください」


 より確実な発動方法が知りたい。


 「出来る、と思えば出来るんだけど」

 「それが上手く出来なかったんですよ・・・」


 シノハラさんは、暫く考えてから、


 「受け手側が、受け取る意識がない場合は、こちらが無理矢理流し込む形になるから、吹雪みたいに不安定だと上手く流し込めないのかもな」


 ラズリィーが、眠っているから無理なのかな?意識があって治りたいと思っていればスムーズということだろうか?だからといって、苦しんでいるのに起こすのもかわいそうだし、今後、瀕死の人に出会った時に、意識がないから治せないとか言い訳したくはない。


 「一番、てっとりばやい方法がなくはない」

 「僕にも出来ますか?」

 「出来る。まず、相手を治す、もしくはお前の生命力を譲渡する心構えをする。これが大前提」

 「はい」

 「その気持ちを維持したまま、彼女を抱けばいい」

 「はああああ!?」


 僕は、思わず声を上げた。

 いきなり突拍子もないことを言い始めた。


 「なんてこと言い出すんですか!」

 「えー・・これが一番楽。特に、相手は女だから、自動的に受け手になる」

 「そんな、そんなことできるわけないでしょうがっ!」


 シノハラさんは、僕の抗議の声を、不思議そうに聞いていた。


 「ラズは、嫌がらないと思うけどなあ」

 「そんなわけあるかぁぁぁぁ!」


 僕の叫びと訴えを聞き入れてもらえるまで、少しばかり時間を費やした。


 

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