表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミカル三国志(第一部)  作者: ダメ人間
第五章 戦火の群雄
89/421

八十九.優秀な人は少ない

 孫堅軍壊滅!

 この報は連合軍に大激震を引き起こした。

 慌てふためく諸侯一同に曹操が喝を入れるも、その揺れは収まることなく広がるばかりであった。

 そんな彼らの元に物見から一報が届く。


「た、大変です!華雄軍が第二陣、第三陣を突破してこちらに迫ってきております!」


 孫堅軍を打ち破った華雄軍は連合軍本陣に向かい進撃を開始していた。


 苦戦すると踏んでいた孫堅軍を打ち破り、華雄軍の士気は大いに高まっていた。

 そんな華雄軍をヘタレ連合軍は止められるはずもなく、各陣営を突破されるしかなかった。


「なにっ!い、いかん!このままでは敗れる!誰か華雄軍を止めよ!」


 事を引き起こした原因である袁紹は諸侯一同に問いかけたが、皆俯くばかりで返事をしなかった。

 それに腹を立てた袁紹は諸侯一同を怒鳴りつけたが、参謀の曹操が彼を戒めた。


「袁紹よ。そのように怒鳴り散らすならばお主が何とかしてみるがよい。お主の部下に華雄を討ち取れるだけの猛将はいないのか?」


「いる!が、ここにはいない!だから皆に尋ねておるのだ!」


 袁紹の部下には『顔良』、『文醜』という華雄に匹敵する部下がいるのだが、彼らは自国を守るため反董卓連合軍には参加していなかったのだ。

 袁紹の身勝手さに曹操は辟易したが、それを口には出さず場を静めることに専念した。


「・・・そうか。ならばしかたない。とりあえずこのまま慌てふためいたままでは良い策も思い浮かぶまい。・・・酒を持ってまいれ!」


「はっ!」


 曹操は部下に酒を持ってこさせ、諸侯一同に杯を持たせた。


「とりあえず一杯飲んで心を落ち着かせようではないか。・・・乾杯。」


 冷静沈着な曹操の乾杯の合図と共に諸侯一同は酒をグビッ!っと一飲みした。

 しかしその時、物見から次なる報が届いた。


「た、大変です!味方の中軍が突破され、ここの守りが手薄になりました!」


「「ブーーーーッ!!」」


 物見からの報告により、曹操と他3名以外の諸侯は口に含んだ酒を吹き出してしまった。


 諸侯たちは急ぎ、幕舎から外に出ると遠方に砂塵が舞っているのが見えた。


「も、もう敵軍がそこまで迫っているのか!誰か何とかせよ!」


「将軍!私が華雄の首を取ってまいります!ご安心めされい!」


「おお!兪渉ゆしょうか!よし!華雄の首を取ってまいれ!」


 袁紹の部下で武勇に優れた兪渉が名乗りを上げ、兵を率いて敵軍に向かい駆けて行った。



 詳細を書くのが面倒なので一言で済ませますと兪渉は死にました。

 日の出の勢いである華雄に一刀のもと叩き斬られました。

 その様子を見た連合軍諸侯は再度慌てふためき、事態の収拾がつかない事態になりました。


「ええい!何と不甲斐ない!此処には18ヶ国もの英雄が集まっておきながら、華雄1人を討つことの出来る将軍を家臣に持っておらぬのか!!」


「袁紹殿。ここは拙者に任せて下さらぬか?命じて下されば華雄などサクッとやっつけてごらんにいれましょう。」


 自分は何もできないくせに人に八つ当たりをする袁紹に対し、1人の武人が名乗りを上げた。


 名乗りを上げた武人。それは劉備の義弟『関羽雲長』であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ