四十五.頭が死ねば終わり
「帝が死んだだと!!帝が・・・死ん・・・はぁ???」
帝の訃報を聞いて、何進は動揺しまくっていた。
帝が生きていたから漢王朝は崩れずに何とか持ちこたえていたのだ。
黄巾の乱でも諸侯が一致団結して賊を討伐することが出来たのだ。
しかし、帝は死んでしまった。
帝なくして諸侯が協力するなどあり得ない。
それは、400年続いた漢王朝の崩壊が始まってしまったことを意味していた。
「何で帝死んでしまうん・・・。」
何進および諸侯一同が帝の死に衝撃を受けていると、彼らのもとに別の一報が届いた。
「将軍様!将軍様!大変であります!!」
「今度は何だ!」
「宮殿の様子を窺っていた密偵から連絡が届きました!」
「何っ!して何と言っておった!!」
「はっ!密偵が申しますに、十常侍は帝の死を隠しておき、何進将軍のもとへ勅使を差し向け、将軍を宮殿に呼びだして暗殺しようとしているとのこと!そしてその後、帝の死を公表して、協皇子を跡継ぎにつかせるよう画策しているとのことです!」
「ぬぬぬ・・・十常侍め!!」
この報告により何進の怒りは頂点に達した。
十常侍は何進を殺して邪魔者を消し去り、弁皇子ではなく協皇子を帝にしようとしたのだ。
何進が怒り狂っていると、密偵の報告通り、勅使が何進のもとにやって来た。
「何進将軍。帝より参内しろとの勅令が来ております。」
「・・・報告通りだな。お前は十常侍の手先だな?」
「えっ?な、何をおっしゃられます。私は帝の」
「黙れ!!」
何進はそう言って腰から剣を抜くと、勅使の首をはねた。
そして、血に塗れた剣を諸大臣の方へ向け号令した。
「今この日この時この場所でこの私が命令する!乱世の元凶である十常侍どもを抹殺するぞ!諸大名諸君!軍を率いて宮中に突撃せよ!!」
何進の号令と共に諸大臣は軍を引き連れ宮中に攻め入った。




