三百六十九.騙されないこと
「よくも俺をォ!!だましたなァ!!」
「よくも今まで!!ずっと今まで!!」
「よくもだましたアアアア!!」
「だましてくれたなアアアア!!」
陳宮からの報を受け、呂布は鬢髪を震わせて激怒した。
「匹夫の玄徳め!いつのまに曹操と示し合わせていた!この呂布を滅ぼさんと謀っていた!!」
「―――陳宮!臧覇!!」
「お前達二人に兵を授ける!小沛の城をもみ潰し、劉備の馬鹿を捕らえてこい!!」
相も変わらず短気な無茶振りである。
小沛は小城でも、中にいるのは大竜の劉備玄徳。そして、彼の横には猛将二人が控えている。
陳宮は無謀には立ち合うまいと、小沛へ攻め入る前に、付近にある泰山(=大きな山)へと向かった。
泰山には山賊たちが多くおり、陳宮は報酬を与えるので、自分たちの味方になるよう彼らと語らった。
「味方になれば良い事三昧!金銀財宝奪い放題!その他、あんな事やこんな事が一杯あるぞ~!!皆、私たちに協力するのだーーーッ!エイ!エイ!オーーーッ!!(^ω^)/」
陳宮のけしかけに、単純な山賊たちは「ヒャッハーーー!!」と世紀末に生息するお兄さんたちのように反射的に召集に応じたのであった。
山賊たちを味方につけた陳宮は、ここでさらなる一手を打った。
宋憲、魏続の二将を呼び寄せ、汝潁地方より小沛の後ろを攻めるように命じると、自身は本軍を率いて正面より迫った。
『――――呂布軍迫る!!』
この報を聞いて劉備は驚愕した。
「ええええええ!うそぉん!!なんで急に攻めて来たし!!」
「・・・さては、返書を持った密偵が途中で捕まったか・・・それとも単純に感づかれたか・・・どちらにしろ、曹操との密約を見破られたのは間違いない。」
「皆!曹操軍の援軍が来るまで持ちこたえるのだ!!」
劉備は諸将に城の防備を任じると、急いで密偵を用意し、曹操へ援軍を要請したのであった。




