三百四十.怒りに任せない
玉璽を返さず、勝手に皇帝を名乗り、世を混乱させている。
そんな悪党をあなたは助けますか?
――――孫策は偽帝袁術からの要望を断り、その怒りによって攻めて来るであろう彼を待ち構えていた。・・・が、彼は江東に姿を見せずにいた。
(・・・おかしいな?怒り立って攻めてくると思ったが・・・。)
大江の沿岸一部に兵船を浮かべ、「ヘイヘイ袁術!いつでもバッチ来いや!!」と備えていたのに、肝心の袁術が攻めて来ないとあらば、それらは全て無駄骨に終わってしまう。
(・・・せっかく準備したのに(;ω;))
孫策の準備が無駄に終わろうとしたその時、許都の曹操から使者が下がって、彼に詔を伝えた。
「孫策君!君を会稽の太守に封じる!承知したかね!!」
「承知しました~~~!」
「よろしい!では、これにて私は帰る!・・・と、言いたいところだが、もう一つお言葉がある!!」
「・・・何でしょうか?」
「『勝手に皇帝を名乗っておる袁術を殺せ!ぶっ殺せ!ゴリゴリにしろッ!』とのお言葉でござる!!」
「!?」
「意味は伝わりunderstand?」
「・・・・・・」
この『袁術を討て!』との勅命に、孫策は一瞬迷いを見せたが、もとより拒むところではない。
『玉璽を預けた責任が自分にはある。』
孫策は勅使に、
「―――わかりました。喜んでその任をお引き受けいたします。」
と、答えを返したのであった。
――――ちなみに、何故袁術が怒りに任せて江東へと攻め入らなかったのかと言うと・・・家臣全員から孫策と戦うことを反対されたからです。・・・以上!!
この理由を聞いて、
(・・・えっ?そんな理由なの?・・・袁術ショボwwwww)
と、思った読者の皆様。
一時の感情に任せて愚かな行動をとるのは、最もショボイ行いですので、皆様は人のアドバイスを聞いて、正しい行動をとるように心がけましょう。
出来ない人はチート主人公に転生して異世界で活躍でもしてて下さい。
もう帰ってこなくて結構です。




