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コミカル三国志(第一部)  作者: ダメ人間
第十章 徐州の謀略戦
252/421

二百五十二.目先のことにとらわれない

 不賛成・異存・不同意・不許可・不承・不承知・非難・不承認・不服・難色・不満足。


 張飛の頭の中ではネガティブな言葉が渦巻いていた。

 呂布を劉備が丁重に見送ったからなおさらだ。


「お~お~ご丁寧にも程がありますな~!」


 はらわたが煮えくり返っている彼は、敬愛する兄に対しても嫌味を言うほど熱くなっていた。


「・・・張飛。まだ怒っているのか?」


「そりゃそうでしょうよ!あんな奴にペコペコしてるなんてどうかしている!呆れて言葉もありませんよ!」


「・・・ならば聞こう。我々が呂布を殺して何の得がある?」


「後の憂いが無くなる!それ以上の得がありますか!!」


 怒りに吠える虎髭男に劉備が正解を述べる。


「張飛よ。それは目先の考えだ。曹操が望んでいるのは、私と呂布が血みどろの争いをすること。『両雄並び立たず』という言葉がある。そんなこともわからないのか?ε=('A` )ハァ」


「あっ!?」


 ようやく張飛は気付いた。これが曹操の策略だということに。

 そして、同時に自分の愚かさを恥じた。

 言い返すことの出来ない張飛はひとまず置いといて、関羽は劉備に忠言した。


「使者には遠まわしに断って帰させたほうがよろしいかと。」


「うむ。元よりそのつもりであった。上手くごまかすとしよう。」

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