二百三十九.英雄を中心に世界は回る
明くる日。
賊軍は両将の意思通りに曹操軍と戦を開始した。
そして、賊軍は敗れました。
以上ですけど・・・何か文句ありますか?
見どころ?そんなモノありませんよ。
しいて言うなら、許褚が李傕の甥の『李暹』、『李別』の両名の首をメコッ!としたぐらいですかね。
大人と子供の喧嘩の詳細を知りたいですか?
どうでもいいでしょ?ねっ?
作者も書くの大変なんですよ?
元ネタの丸パクリ小説ですけど色々キツイんですよ?
察して下さいよ?ねっ?
ってな訳で賊軍は曹操軍にコテンパンに敗れ、彼らは家を失った犬の如く、「キャイン!キャイン!」という泣き声をあげて、西の方へと逃げ去った。
曹操の英名(=優れた評判)は四方へと鳴り響いた。
彼は賊退治を終えると、令を発して民を案じ、軍の規律を厳守して都の護衛の任をこなした。
曹操は今や時の人である。
皆が彼を敬い、彼に縋り、彼を中心に都は回っていた。
しかし、ここに彼の活躍を妬む一人の男がいた。
「おいおいおいおいおいおいおいおいおい!どういうことだこれは!これでは俺は噛ませ犬ではないか!どうしてこうなった!!」
妬む男は楊奉であった。
彼は李傕を裏切り、李傕と郭汜の追撃から帝を助けた男であるが、彼が活躍したのはそれだけであった。
その後は特に活躍することもなく、今や彼は曹操の栄光の陰に隠れる、日陰の存在となっていた。
曹操への不満が募る楊奉は、ある日、韓暹という男に胸の内を話した。
この韓暹という男だが、彼は今こそ都で働く官軍の一将であるが、もとは緑林に党を組む、賊の大将であった。
そのためか、彼は素行が良い人物とは決して言えなかった。
そんな彼に楊奉が胸の内を話すや否や、韓暹はたちまち性根を現して、
「俺も、俺も!俺も奴の事が気に喰わなかったんだよ!いや~同士がいて良かった、良かった!」
と、彼もまた、曹操への嫉妬心を露わにした。
曹操への想いを同じくした彼らは、それから四、五日ほど密談をしていたようだったが、一夜忽然と、宮門の兵たちを誘い出して何処かへ姿をくらましてしまった。




