百五十九.人をからかうのは好ましくない
呂布との約束を破って董卓へ貂蝉を渡した王允。
それを知って激高する呂布。
王允、絶体絶命の大ピンチ。
この状況を打破すべく、彼は今、呂布をなだめるための必殺の言葉(=言い訳)を述べようとしているのであった。
「・・・将軍様。董卓太師へ貂蝉を渡した詳細はこうです。」
「今宵の宴にて、太師に呂布将軍が貂蝉にぞっこんであり、将軍に娘を渡す約束をしていることを話しました。すると太師が、『それは面白いことを聞いた。・・・王允。貂蝉をあやつに渡す前に一旦わしに預けろ。』と申しました。」
「理由を尋ねたところ、太師は、『吉日の日に自分が盛宴を開き、その席で不意に将軍と娘を妻合わせ、皆であやつをからかい楽しもう。』とおっしゃいました。」
「その言葉を聞いた私は、『それは面白い!やりましょ!やりましょ!そうしましょう!あのアホ将軍をコケにしましょう!!』と太師の計画にノリノリで賛同したわけです。」
「・・・以上が董卓太師へ貂蝉を渡した理由となりますが・・・ご質問はおありですかな?」
事前に考えておいた必殺の言葉を述べた王允はドヤ顔で呂布に質問がないか問いかけた。
すると呂布。顔が青ざめ、てんやわんやし始めた。
「え!? ちょっ!? はぁ!? ・・・っということは、太師は俺をからかうつもりで貂蝉を・・・。」
「そ、そうです!そうです!その通りです!太師は盛宴にて、将軍が照れて恥をかき、将軍が表を歩けなくするぐらいにからかうつもりなのです!私はその案に乗っただけ!だから私は悪くない!悪くないんです!!」
「そ、そうであったのか・・・王允殿・・・すまぬ。この通りである。」
嘘の事情を聞いた呂布は頭を掻いた後、膝をつき、王允に向けて頭を下げた。
「・・・王允殿。国家の元老である貴殿を侮辱した罪は万死に値します。どうか許してたも~れ~!!」
呂布の謝罪姿を見た王允。
にっこり笑って上から目線。
呂布を許すことにしたのであった。
「許~す!許しますぞ!将軍殿!誰でも間違いはありますからな!!ははははは!!」
「・・・いや本当に申し訳」
「おっと!それ以上の謝罪は結構、孝行、コケコッコ~ですぞ!将軍殿!!あはははは!!」
「・・・」
「それよりも将軍殿!後日必ず、太師が将軍のために盛宴を開いて下さるはずです!その時を楽しみにして、今夜はお引き取り願います!!要約すると『今夜はさっさと帰れ!』ということです!!あはははは!!」
「・・・はははは。そうします。」
王允からの許しを得た呂布は恥ずかしげに立ち上がり、愛馬の赤兎馬に跨った。
「王允殿。夜分騒がせて申し訳なかった。・・・ではこれにて失礼いたす。」
呂布は王允に軽く頭を下げると、馬を走らせ、王允の屋敷を後にしたのであった。




