百十五.無能は人の上に立たないこと
反董卓連合を結成した曹操がいなくなり、諸侯たちの結束は増々弱まっていた。
焼野原となり、何の益もない洛陽。
その日の食糧を手に入れるのも困難な状況下で、不平不満を述べる諸侯たち。
略奪が日常茶飯事となり、民たちから「董卓政権の方がマシだった。」と言われる始末。
そして、諸侯たちの間に生じる亀裂。
『もはや洛陽に価値なし!』
というのが諸侯たちの本音であった。
その空気を察した袁紹は、諸侯たちを本陣の会議室へと呼び寄せ、今後についての検討を行っていた。
そして・・・
「・・・連合軍解散するか?」
「「おう!早く、素早く、即行、即決、即断、今すぐにでも解散すべきです!!」」
「・・・わかった。解散しよう。」
袁紹の簡潔な提案に、皆が賛同の意思を示した。
『連合軍解散』。
この決定は、公孫瓚を通じて劉備ら3兄弟にもすぐに伝えられた。
「玄徳よ。お前の予想通り連合軍は解散することになった。」
「やはり。・・・仕方ないと言えば仕方ないですね。・・・総大将がアレですもの。」
「うむ。連合軍解散までの流れは・・・大声では言えぬが、袁紹殿の無能さが原因であるのは間違いない。優柔不満で傲慢。こんな男が連合をまとめられるはずが無かったのだ。」
「ハハハ、結構キツイことをおっしゃりますね。・・・まぁ私もそう思っておりますので反論はしませんが。」
「曹操殿の推挙ということで反論しなかったが・・・あの男は無能だ。袁紹に後処理が出来るはずがない。このまま此処にいれば混乱が起きるのは必然であろう。」
「公孫瓚殿と同じ考えです。洛陽からさっさと引き揚げて、自宅で冷やした酒を飲みながらくつろぐのが最善です。」
「うむ。・・・時に玄徳よ。お前はこれからどうするのだ?もしよければ・・・私の元に来ないか?手厚くもてなすぞ。」
「ありがとうございます。でも私たち3人は片田舎での仕事がありますし・・・それに、自由気ままな生活が好きなのです。ですので今回は・・・。」
「あいわかった。では時節があったらまた会うとしよう。」
「はい。ではこれにて失礼いたします。」
劉備は公孫瓚に深々と頭を下げて礼を言い、その他、世話になった連中にあいさつ回りをして洛陽を去ったのであった。




