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地図にない店  作者: lolite
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日常

目を覚ますと、スマホを握ったままベッドから落ちていた。


確か私は、ビルから飛び降りた後に喫茶店でコーヒーを飲んで

翌朝ベッドで寝ていて・・どう考えてもそんなわけがない

きっと全部夢だったんだ。そうに違いない。でもやけにリアルな夢だった。


今日も朝ドラを見ながら朝食を取り、バイト先へ向かう。

いつも通りの、変わり映えのしない朝。近所のオバチャン達に

話しかけられるも適当にあしらって愛想笑いして先を急ぐ。どうせ陰で

「どんな仕事してるのかしら?」「未だに結婚してないらしいわよ」

「うちの孫は結婚して子供もいるっていうのに・・・」

なんて井戸端会議のネタにしている事は知っている。


田舎の年寄りやオバチャン達なんて、人の噂話や悪口くらいしか人生の楽しみが

なくて暇で暇で仕方ないんだろう。だから他人の事ばかり気になるのだ

もはや何の生産性もない存在のくせして威張らないでほしい。



清掃のバイトを終えた私は、帰りのバスに乗っていた。

この時期は手荒れが酷く、油断すると指先や指の間、手のひらが

縦にパックリと割れてしまう。普段はゴム手袋をしながらの作業だが

細かい作業などは手袋をはずして行う時もあり、その際にどうしても

手が荒れてしまうのだ。


もう少し若い頃はネイルにも多少こだわったりしていたけれど

こんなパサパサした手では映えないだろうなと悲しくなったりもする。


冬場のバスの中は温かくて気持ちが良く、思わずウトウトしてしまう。

家までせいぜい20分弱の短い距離なのに、こんな所で寝てしまったら

あっという間に乗り過ごしてしまうだろう。


そう思いながらも睡魔には勝てず、ふっと意識が遠のいていく。

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