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日常(9)
婆さんの孫の名前は宏香という。
宏香は小中学校時代の同級生で、私と違って美人で文武両道の高学歴で
詳しくは知らないが大手企業で働いているらしく、私なんかとは比べ物にも
ならないようなハイスペックな女性なのだが、自分よりもレベルの低い人間は
全く相手にしなかったので、私なんて取るに足らない扱いされて
会話なんてほとんどしたことがない。むしろ取り巻きが怖くて近寄る事すら
出来ないようなレベルの存在だった。
やはりそういう選ばれた人間と言うのはパートナー選びにも妥協できないのか
今も未婚である。都内なら30代や40代の未婚の男女なんてザラだろうが、
私の住んでいる地域はド田舎なので結婚が早い人が多く、大体25歳までには
みんな何となく結婚してしまうので、婆さん的にはかなり焦っているらしく
私を見ては「まだ大丈夫」と安心しているらしい。
婆さんにとって私は、「こいつよりはマシ」の「こいつ」の存在なのだ。
本当に腹立たしい。ああ。何で嫌な奴ほど長生きするんだろう。
そろそろお迎えが来ればいいのにと本気で願っている。




