1/1
一人目
〜プロローグ〜
あの日僕は両親を亡くした。地震による火事だった。家は全焼したが僕は軽い火傷で済んだ。
父と母が僕を覆いにして守ってくれたからだ。その時父が言った言葉は今だに憶えてる。
「俺らが死んでも頑張ってくれ、人を思いやり助けてあげられる人になるんだぞ。」
このまま父も母も息を引き取った。僕は泣いていた。
この言葉は一生忘れることは無いだろう。父の信念に応えよう、そう僕は心に誓った。
一人目〜少年〜
1話 少年
市立の某中学校にて、ガラガラガラと教室の窓が開く。入ってきたのは少年、彼の名は『森 健斗』どこにでもいる普通の中学生だ。クラスメイトから陰湿ないじめを受けていることを除けば…
「また来たよ、あいつ」
「もう来なくていいのに」
と言うもの、彼を見てクスクス、と笑うもの、まるでドラマのようないじめだった、
「何故俺が…こんなめに…」
いつもそんな事を考えていた。
そんな彼が一人の人物に出会ったのはある日の学校の帰り道だった。