聞いて驚き、見て笑うギルド
細かいことは後に回しますが・・・・・・
まぁ、気にすることなくドゾw
「なっ――――――」
ライナ達が驚愕の声を上げたのが僅かに認識できたが、すぐにかき消される。 気がつくと、俺はイデアさん達とは真逆の方向へと飛ばされていた。
自分に何があったのか? どうしてこうなったのか?
その理由は解らない、ただ――――――
「リーフベールッ!!」
メジットさんの声により、背中に柔らかい衝撃が来るのを感じた。
「・・・・・・いてっ」
一瞬の浮遊感のあと、地面に体を打ち付けた。
「ユウ君ッ!大丈夫!?」
「だ、大丈夫です・・・・・・」
駆け寄るメリルさんに慌てて答える。
けど全然大丈夫じゃないよ!?頭から落ちたせいで鼻うったよ!!
「ホントに?鼻押さえているけど?」
「は、はい・・・・・・多分」
とりあえず笑って誤魔化しつつ、鼻の状態を確めてみる。
どうやら折れてはいないみたいだ。
ハイ、そこで「折れれば良いのに」なんて考えてたヒト挙手!ちょっと話聞かせてもらおうか?
ちなみに言っておくけど、ボクの鼻は天狗じゃないよ?ただ赤くて長いだけだよ?
「ゆ、ユウ君?」
「・・・・・・え、は、ハイ?」
我にかえると、不安げにこっちを見るメリルさん達がいた。
あ、もしかして少しトんでた、俺?
「本当に大丈夫?診てもらった方がいいんじゃない?」
訝しげに見るメリルさんの視線と言葉が痛い。
あの、泣いて良いですか?
「あ、だ、大丈夫で――――――痛ッ!」
立ち上がろうとした途端、左肩に痺れるような激痛が走った。
「・・・・・・っ!ちょっと見せて!」
何かに気がついたようにライナが無理やり袖をめくる。
「あっ!」
「こ、これは・・・・・・」
判子注射があるはずの場所、そこには――――――刺青のようなものが描かれていた。
悪魔の顔を模したような黒い紋章のようなものが俺の肩にくっきりと描かれている。
「これって、《送死者の呪い》っ!?」
ライナが珍しく冷静さを欠いた表情を浮かべている。これって、何かマズイフラグ?
「これ、イツから?ドコからなったのっ!?」
「えっ、いや、分からな・・・・・・」
「ウソツキっ!」
答えようとした俺の言葉を否定して尚も問い詰めてくる。
「ライナ、落ち着いて!彼は記憶を――――――」
「失ってる訳ないじゃない!こんな奴っ!」
食ってかかってくるライナを止めようとしたメリルさんの言葉を遮って、俺の方をキッと睨みつける。
アレ?なんで俺睨みつけられてる?
「教えなさい!これはいつのもの!?」
「・・・・・・わからない」
色々聞きたいことがあるが、今の俺が答えられるのはそれだけだ。ホント、ホント。今回こそはこの教会が信仰している神々に誓って言うから。
「ほう?言ったね?」
って、そういえばコイツ信仰対象だったっけ・・・・・・
「ウソ!そんなわけが・・・・・・」
「わからないって。記憶があろうが無かろうが、これには見覚えが全くないよ」
「・・・・・・・・・・・・」
尚も問い詰めようという攻撃的な姿勢のライナの肩にメリルさんが手を乗せて落ち着かせた。
「とりあえず、これは抑制した方がいいよね」
状況を冷静に見つめていたマホが、俺の肩に付いている紋章のようなもの(呪いらしいけど)に手を置くと、痺れが薄れたような感じがした。
『サンキュー』
目線で礼を言うと、マホがなぜか胸を張る。
まぁ、そこまで誇るほどの大きさはないけどね。特に容姿的に。
「メ○ゾーマの詠唱でもやろっか?」
スンマセン、マジでスンマセン。
◆
「ふぅ~、何とか無事に終わったね」
商店街の道で伸びをしながら歩くメリルさん。
いやいや、決して「無事」じゃないっすよ?そもそもライナもめちゃくちゃ不機嫌だし。
只今、我々はギルドに向けて進撃中とのこと。
あ、本当に攻撃しないよ?逆に反撃されてオワタだろうし(怖)。
ちなみに言っとくけど巨人じゃないよ?あんなオネェ走りしないからね!?
「・・・・・・ねぇ、ユウ」
「え、何?」
そんな時、ライナから話しかけられた。そういえば、彼女から名前を呼ばれるの初めてだな。
「その、いきなり問い詰めたりしてゴメン」
本当に申し訳なさそうに目を伏せて謝ってきたことに正直俺は面食らった。まあ、当然彼女にもまずいことやったことぐらいの判別は・・・・・・
「やあ!ごきげんようエブリバディー!今日も素敵な――――――」
「爆ぜろ」
「プギャーーーーーー!!」
前言撤回。彼女は自分が何やっているか解ってない。
「ってか誰か飛んだ!?むしろ飛ばしたよね!?」
ソーダネ、ドアが開いた瞬間に謝っている時の体勢から足だけ出して人蹴るなんて器用なスキルをお持ちのようですね。
「コイツバカ?初見でこんだけ冷静ってコイツ筋金入りのバカ!?」
とりあえずマホがうるさい。そしてライナに「ジャストミィーート!!」とだけ言っておこう。
え、なんでだって?だって見るからしてウザそうなんだもん、あの細身のキザ男。
「あら、おはようございますサギ」
「・・・・・・お、おはようございます、メリル、女史・・・・・・」
蹴られた男は、建物内の奥でわずかに手を振っている。
コラコラ、ライナさん。いくら仕留m・・・・・・ゲフンゲフン、生きているとはいえ、舌打ちしない。あとさりげなく「殺り逃したか・・・・・・」なんて言わない。
「よぉ!相変わらず良い蹴りするな、お嬢」
「・・・・・・だから、毎回その呼び方は止めてくださいロナーさん」
サギと呼ばれた蹴り飛ばされた男のすぐ横の席で、椅子に寄りかかりながら茶々を入れる男に飽きれ顔でライナが口を開く。
「しかもそんなにおしゃれしやがって・・・・・・デート中か?」
ロナーという男はそう言いながら視線を左側に・・・・・・って、俺か?
「なっ!ち、違います!こいつはただの・・・・・・」
「「ただの?」」
ロナーさんと声を揃えて訊くと、恥ずかしそうに一呼吸置いて、
「優男です」
「な、なんだと!?」
さり気ショック!声に出したロナーさんよりもショック受けてるよ!?
いや、捉えようによっては褒め言葉だけど・・・・・・ねぇ?
「なんと!僕より心優しい上の持ち主がいたとは!?これは、事件のはぁあ!?」
ハッケイでまた吹っ飛ばされた人と同じ扱いされてるみたいでいやだしな~。
っていうか、状況が把握しきれないうちに何か色々進んでいる気が・・・・・・
「相も変わらず、毎回登場が派手ですわねライナ?」
その様子に「やれやれ」とこちらに歩み寄ってくるのは、ひとりの女性だった。
10人が10人全ての人が見入ってしまうような金髪と青い目、そしてスリムな体型を隠すように来ているカーキ色と深緑色の軍服のようなもの。
「おはよう、シェーナ。来て早々に騒ぎを起こしてごめんね?」
「構いませんわ。それより・・・・・・」
その女性はメリルさんと軽く挨拶を交わすと、興味深そうに俺の前にやってきた。
近くで見て初めて分かったが、この人、身長が俺と同じぐらいだ。
別に俺は同年代の中で決して小さくはない。どちらかといえば男子の平均位の身長だが、彼女は俺と目線が若干低い所にあるくらいなものだった。
「彼は今回新しくここに入ることになった・・・・・・」
あらら~、メリルさん?
もしかしてニックネームで呼び続けてたせいで本名忘れたとか?
あ、本当らしいね。耳元で「フルネームなんだっけ?」ってガチで訊いて来てる。
まぁ自己紹介は大事だよね~、ってんで女性の方を向き直る。
あれ?なんか目線が怖くなってるような・・・・・・?
「祐典、星峰祐典です。これからお世話になります」
「へぇ~」
彼女からの鋭い視線に耐えながら名乗ると、急に穏やかな表情になった。
「シェーナフィア・エメルハート。こちらこそよろしくお願いしますわ、ユウスケ」
そう言って握手を求められたので、おずおずと手を握った。
「よろしくお願いします、シェーナフィアさん」
「・・・・・・・・・・・・」
え?なんか突然沈黙したよ?また嫌な予感?
「・・・・・・シェーナ」
「・・・・・・えっ?」
「シェーナでよろしいですわ。長ったらしくて言いづらいでしょう?」
「あ、は、はぁ・・・・・・」
なんだ、突然怒られるか蹴られるか寝技かけられるのかと思った・・・・・・
「あんたは一体何を警戒してんの?」
マホに飽きられちった。
「そういえば、あなたの職種を聞いてなかったですわね」
話を戻して、シェーナフィアさん――――――もといシェーナさんから「重要な質問」が飛んできた。
そう。この質問の返答次第でギルドメンバーの扱いが変わってくると言ってもいい、らしい(メリルさんがそう言ってたもんだから)。
待ってました!とばかり挑戦的に笑い、大きく息を吸って、声高らかに答えた。
「《無力僧侶》ですっ!」
色んな意味で飛ばしましたが、結論からすると
異世界来たら消耗品になる・・・・・・
ユウ君「お、おう・・・・・・orz」
あ、本人萎えてる・・・・・・