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マジでありえないトリップ方法(プロローグらしい)

ツッコミたいところがあればいくらでもどうぞw

 単刀直入に聞こう。

 ここはどこだ。


「一体何が・・・・・・」

 見慣れない風景を見渡しながら、俺こと星峯裕典(ゆうすけ)はポツリと呟いた。


 いや、だってね、玄関のドア開いたら変な場所に来たんだもん。

 いつからうちのドア「どこだかドア」になったんだよ。

そんなことを考えつつ、俺はこの街並みを見渡してみる。


 都会か田舎かと聞かれると、見た感じは田舎に見えるが、結構な人の姿が見えることから、この街の都市部と判断した。


「――――――って、あれ?」


 我に帰って回りを見渡すと、いつの間にか森に入っていた。どうやらそのまま郊外へ出てきてしまったようだ。

 でも、1つだけ推測できることがある。それは・・・・・・


「いわゆる異世界トリップってやつだな。今更だけど・・・・・・」


 ネット小説とかでよく見るファンタジー系のひとつ、。その名も「異世界トリップ」。まあどんなものかと言うと・・・・・・文字通りだな、ホント。だって「異世界に転移(トリップ)」なんだもん。


 と言うわけで、この世界の詳細を知るため、俺はちゃっちゃと町に引き返すことにした。「この町に来るのが初めてで~」なんて言えばある程度の情報収集にはなるだろう。

 と思った直後だった。


「ガルルル・・・・・・」


 唸り声が背後から聞こえてきた。

 妹キャラがじゃれあうように言ってるのではなく、明らかに猛獣の声だ。

 やっべ~、と思いながら振り向くと――――――はいやっぱりそうでしたね、オオカミさんですね。


 灰色っぽい体毛を逆立て、血のように紅く光る眼が獲物(ゆえに俺)を狙っているのがわかる。


「しかも群れで来るか・・・・・・」


 思わずぼそっとつぶやいたが、その通りだ。1匹ならまだ番犬が鎖外して出てきたよ~、で済むんだが――――――うーん、だめだ。それでもアウトだ――――――それが5,6匹もいるんだからもうだめだ。

 ナニコレ、トリップして数十分で死亡フラグ?


「ガルル~・・・・・・」

「ま、まぁまぁ。い、いい子だから・・・・・・」


 試しに意思疎通を試したが、ダメだった。当然だけど。

 だが俺はここで怯まない。今できることをしっかりやるんだ、星峰祐典!!


 そうやって自分に叱咤激励した俺は、回れ右をして、



「逃げろぉぉぉおおおおお!!!」



 全力で走りだした。

 え、逃げてる?そんなわけ無いでしょ?ただ孟子だか老子だかの考えに則ってるだけだよ。

 よく言うでしょ「勝機のない戦は逃げろ」って。


「ガルル――――――ワン、ワン!!」


 それに気づいたリーダー格と思われる狼が吠え出すと、他の狼が駈け出した。

 恐らくそのスピードは人類最速の人間さえも余裕で超えるスピードを出している。


 当然そんな奴ら相手に逃げ切れるはずが無いので、とにかく前を見て全力で走る。

 草木を掻き分け、なるべく相手が走りづらい道を選んでいく。


 そして、異変に気づいた。



 相手がなかなか追い付いてこないことに。



 一瞬だけ後ろを振り向くと追いかけているのはわかるが、追いつきそうな気配がない。むしろ、差が広がっていくように感じる。

 相手が遅いのかと考えたのだが、その考えが掻き消えて別の考えが浮かび上がってくる。

 自分が速すぎるのだと。

 確かに俺は昔っから足は自身があるしそれを活かして陸上部に入っていたけど、狼より速く走るほどの速力はないはずなんだけどなぁ・・・・・・


 だが、そうと判れば逃げ切れるかもしれない。

 原理はわからないがもしかして無事に戻れるかもしれない。

 そう考えた俺は、そのままさっきまで歩いていた道を戻ることにした。

 不思議にも体力がなくなる気配がしない。となると、この世界の影響があるかもしれない。


 この状況とは無縁に思えるくらいに冷静な考えができた頃、人工的に作られたと思われる道が見えてきた。

 戻れた!とそう思いながらあの狼の群れの方を向く――――――

 ――――――が。


「・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・」


 思わず俺の口から声が漏れる。


 追いかけている狼の内、1匹がその場で足を止とめている。

 体力が切れたのかと思った途端、そいつの鼻先からなにか黒い球体が現れた。

 それが徐々に大きくなっていく。オイオイ、これって・・・・・・


 それが人の頭ほどの大きさになると、


「グゥ・・・・・・アオォーン!」



 高く鳴り響く遠吠えと共に俺に向かってきた。


「嘘だろぉお!?」


 思わず叫んだが、一直線に俺に目掛けて飛んできた球体は俺に着弾し、凄まじい爆発音と共に俺の意識は途絶えた。

お付き合いいただきありがとうございますw

次回もお楽しみに

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