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まきこまれ系猫  作者: ゼタ
序章
3/7

ドラゴンそして旅立ち

『凍てつけ』


透き通った水色の鉱石、ブリュレクリスタルの体を持つ龍、クリスタルドラゴン。

始まりの龍、祖龍と呼ばれた全長20mもの巨体を持ちさらに巨大な羽を持つ。

祖龍が歩けば街は崩壊し祖龍が吼えれば大気が震え祖龍が息吹けば世界が無くなるとまで言われた龍が今、少年の目の前に存在していた。

少年は青いシャツの上に黒い胸当てを付けそれに黒いコートを羽織り黒のズボンをはいていた。

手には指穴あきのグローブをつけ右手には真っ黒な1mほどのこの世界には存在するはずのない刀を持っている。

さらに首には黒い鉄製の首輪をつけている。

そしてなにより目立つのが頭の上に生えている猫耳だった。

クリスタルドラゴンは魔法を放った瞬間だった。

広範囲型の氷魔法だ。

少年は左手を突きだし「防げ、シールド」と唱えた。

すると真っ赤な魔方陣が現れ氷魔法を防いだ。

防いだと言っても周りは銀世界に変わり少年の服も所々凍っていた。


「今度はこっちの番だ!」


少年は真っ黒な刀を振り上げ唱えた


「唸れ焔!」


クリスタルドラゴンの放ったものと同等の炎魔法を刀に纏わせそのままクリスタルドラゴンに放った。

しかしクリスタルドラゴンは咆哮で受けきった。

それでも受けきれなかったのか所々ブリュレクリスタルが燃えて溶けていた

辺りはただの荒野になっていた。

受けられたのを確認すると少年は瞬間転移魔法でクリスタルドラゴンの尾に転移し刀を突き刺し、そのまま頭部まで走った。

普通ブリュレクリスタルは切り裂かれることも貫かれることもないのだが少年の刀はいとも簡単に突き刺さりガリガリと削りながら頭部まで走りきり飛び降りた。

だが目の前にクリスタルドラゴンの顔があり咆哮をもろにうけてしまった。

クリスタルドラゴンは背中に尾から頭部にかけ傷をおい、少年は全身にダメージをおった。


『やるな人間』


「残念、猫耳族だ」


二人は睨み合い

再び構えあった。


『これが最後かの…お主を殺すのはもったいないがな』


「ハッ何を言うかと思えば…くたばるのはお前だジジィ」


二人は無言でお互いの全力を放とうと準備を始めた


――凍てつけ

祖は氷

凍てつけ

全ては無に帰る

凍てつけ

東の大地が嘆き西の空が泣く

凍てつけ

今こそ氷の時代――――――――――


『Ice age』



――唸れ

祖は焔

唸れ

全ては我が野望の為

唸れ

北の大地は歌い南の空は笑う

唸れ

今こそ焔の時代――――――――――


「flame age」


お互い詠唱を終え最大級の広範囲魔法をぶつけ合った。




――――――――――


「派手にやってるねー」


魔術師が空中に立ちながら少年、擬人化したシャオとクリスタルドラゴンを眺めていた。


「えぇあの頃とは別人いえ、別猫ですね」


その隣では魔術師の使い魔のハーピー、キレヒがいた。

下ではシャオとクリスタルドラゴンの最大級の広範囲魔法がぶつかり合い相殺されたがシャオが咄嗟に鞘なしの居合い斬りで焔を纏った斬撃を放ちクリスタルドラゴンを真っ二つにしていた。

シャオは緊張がとけたのかその場に座りそのまま寝転んだ。

キレヒは魔術師に許可を得るとすぐシャオのもとへ向かった


「お疲れ様シャオ」


「あっキレねぇ…俺勝ったよハハ」


「よく頑張りました」


キレヒは笑みを浮かべシャオの頭を撫で回した


「ちょ、疲れてるんだから後にしてよ」


嫌そうにいうがシャオの表情を見る限り満更でもないようだ。

そこに魔術師が降りてきた。


「よく頑張ったねシャオ。君はもう強い。宝の持ち腐れではなくなった。ということで五年後にやって来る勇者の従者は頼むね」


「「え?」」


腑抜けた二つの声が荒野に響いた。



――――――――――


魔術師、リヘル=J=シュナイダー。

彼は不老だ。

現在は七百を越えている。

リヘルは予知魔法で十年後勇者が召喚され自分が従者として呼ばれることを予知した。

リヘルはそれを面倒だと思い使い魔にまかせようとしたのだがキレヒだと少し心配だったので新たな使い魔を召喚することにした。

どうせなら面白い使い魔にしようと異世界から呼ぶことにした。

しかし生きた者を喚ぶのは疲れるので転生寸前の者を呼ぶことにした。

この研究に費やしたのは四年。

そして呼ばれたのがシャオである。


「勇者の従者…その勇者って異世界から?」


「そうだよ、多分君のいた世界から喚ばれるんじゃないかな」


リヘルはそう答え左手が変な方向に向き、右足にヒビ、腹からは血が出ているシャオに回復魔法をかけた。


「後五年あるからね、その間は訓練しながらゆったり過ごすといいよ」


シャオは頷き旅に出ることを提案した。

キレヒは反対しリヘルは賛成した。

因みにキレヒが反対した理由は寂しいからである。

ならばキレヒもついていくといいよとリヘルに言われ久しぶりにリヘルに感謝した。


こうしてシャオとキレヒは旅に出た

その結果、シャオは『黒き焔』と二つ名が付けられキレヒには『朽ちた姫』と二つ名が付けられ伝説となったのだがこれはまた別のお話。


そして旅立ちから五年後、新たな旅が始まる



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