はや食い競争
ムードが上手く伝わるようであれば嬉しく存じます。
小説には、読者にある感情をひきおこすなり、考える素材を提供する役割があるのでは、とも思うので、記してみたい。
数年前か、《はや食い競争》が流行っていた。
背景には《テレビ東京》の番組のヒットがあり、だがその番組も「はや食い」によって起こる健康被害(?)が全国で多発したせいであったろうか、決して行われることのないコンテストになっていくのだが‥‥
まだそれが下火になる前、ちょっとしたイベントプログラムに《はや食い競争》がよく載っていた。
所用で神戸の新長田‥‥震災の時、火災の被害が甚大であった地域であるが、現在は『鉄人28号』『三國志』『粉もん』で町興しをやり、相当に成功してるようだ‥‥を通ると、《粉もん祭り》が開催されていた。
街角に臨時に設置されたメイン会場では、近くの商店や「食べもんやさん」のPRがそれぞれの商店主によりなされていた。
どうも、次のアトラクションであるらしい《粉もんはや食い競争》がメインという気配があった。
他人が早く食べることに何の興味もなく立ち去ろうとした時、隣接のビルの壁に貼り紙があり、こう読めた。
‥‥《お断り》‥‥
はや食い競争へのホームレスの方のご参加はご遠慮ねがいます。
貼り紙があるということは、そういう事例があったということか‥
数年に一度、あるかないかの暗い気分のまま、僕は足早にその場を去った。
ガラケーで、ラストの「暗い気分」は、実はアンタンたる気分と書きたかったのですが、タンの字が出てこなくて、またまたアンタンたる気分になりました。




