⑲
キーンコーン
「ふぅ」
今日の学校、終わったー
話しかけるチャンスなかったな
明日は、どうなるかな
話せればいいけど…
「あっ」
まって、今あの人のいる場所…
私のロッカーの近く
しかも、一人でいる…
これは…今しかない
話しかけるしかない
転校するのか、よく分からないけど
でも、本当に転校したら
もう話せないし、会えないし
やだ!
そんなのやだ!
やだ やだ 好きだもんね
「…」
よーし…ロッカーに用あるふりして…
周りに他に誰もいないよね…
いくぞ いくぞ いくぞ…
「…あの… ロッカー…」
「あぁ、わりい」
「う…ううん…」
よし、とりあえず話せたぞ
ここから、どうするか…
ロッカーに用ないし…適当にごそごそして…
「あのさ…」
「どうした?」
どうした?と、言われても…
どうしようかな…
「えーとね…」
「おう」
「…引っ越しするの?」
「そうだな、引っ越すぞ 来週にな
話したっけ?」
来週に引っ越すのは確定
「ううん、話し声聞こえてきて…」
「そうだよな 同じクラスだけど、
あまり話したことないもんな」
うぅ…やっぱり好意ないよね
話すような話題も、接点もなかったからな…
でも、まだだ…肝心な事を聞かないと…
「それでさ…てんこ…」
「おまたせ、帰ろうぜ」
「おう、そうだな
じゃ、また明日な」
「えっ!ば…ばいばい…」
帰っちゃった…
えー!帰っちゃったよ
転校するのか聞こうとしたのに!
なんで…どういうこと?
タイミング悪すぎでしょ!
私、何かした?
えー、ひどすぎるよー
「何してるの?ロッカーの中見て、何かいた?」
「なにも…いないけど…」
いたら、怖いからね
「ふぅん、それよりも早く帰ろう
今日、新作のフラペチーノ発売する日だよ」
「あー、忘れてたー」
そうだよ、そうだった!
私の好きな、イチゴ味だ
「みんな行くと思うから、混んでそうだよねー」
「たしかに」
前のときも、やばかったからなー
同じ制服の子や、他校の制服の子とか
絶対に混んでるじゃん
「混んでるけど、行かないとねー」
「そうなんだよね…」
行かないと、乗り遅れる
まだ飲んでないの?とか言われたら、ムカつく
話題に、ついていけなくなる
「やっぱ当日に、SNSに のせないとね」
「マジでそう」
現代社会で生きていくには
同じ物を飲まないといけない…
そうしないと…はじき出されちゃうよー




