⑬
キーンコーン
「一緒に帰ろう」
「うん」
「今日、なんか元気なかったね」
「えっ、そう?」
元気ないの、バレちゃったか
あの人、休みだったからなー
もう、あんまり会えないのに…
「なんか、あったの?
あっ、そうだ!」
「どうしたの?」
「私が撮った写真、見せてあげるね
まだ、いっぱいあるんだった
イケメン見たら、元気出るでしょ」
「あー、そうだね
写真見たいかも」
私が見たいのは、好きな あの人だけどね
まぁいいや、少しは気分転換になるかな
「なんかね
撮っていい時と、駄目な時あったの」
「ドラマの撮影してたから?」
「たぶんね
ほらっ これとか、すごいカメラ目線
はぁ…カッコイイ」
「そうだね、よく撮れてる」
「でしょー?
あとこれが… これもあって… これとか…」
「すごい写真撮ったね」
「当たり前じゃん!
こんな写真、普通は撮れないからね?」
「まぁ、そうだけど」
「あ、別れ道だ
じゃあね、また明日!」
「うん、また明日ね、バイバイ」
なんかいいな…
自分の好きに素直っていうか
芸能人と付き合えるなんてないのに
私は、好きな芸能人いないし
イケメンもなぁ、別にだし
「…」
あの人に会いたかったな…
告白の作戦考えたのにな…
作戦実行は金曜日だけど
明日は来るかな?
金曜日は来るかな?
放課後に誘えるかな…
「なんか…」
会いたいけど、会うの怖いな…
もし今日会えてたら、嬉しかったけど
告白しようと考えて、緊張しちゃってたかな
ちゃんと誘えるかな
振られても、
転校して会わなくなるし大丈夫だよね…
誘えないほうが、後悔するかな
想いを伝えておけばって、後悔するかな
次の好きに引っ越せても
あの時もしもって、心に残るかな
やっぱ、勇気出さないといけないよね
「ただいまー」
「あー、まって開けないで! ニャンコが!」
にゃーん
「うわっ」
「よかったわ ニャンコ玄関に走り出して
脱走するところだったのよ」
「なんとか、捕まえられたけど…
どうしたの?ニャンコ」
「急に、家の中を走り回ってね」
「運動会してたんだ」
「逃げて捕まらなくて
カーテンの上に登って大変だったのよ」
にゃおん
「ニャンコ?私の部屋には入ってないよね?」
にゃん
「お母さんは、ご飯の支度するから
ニャンコと遊んであげてね」
「えー、またー」
「またって何よ、そもそもね」
「あー、はいはい 遊びますー
私、ニャンコと遊ぶから」
「そう ならニャンコのこと、頼んだわよ」
にゃん
「もう、だめだよ?ニャンコ
私にだって色々あるんだから
構ってる暇ないの、早く寝なさい」
とんとん とんとん
にゃおーん




