人魚の目論見- 2
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「お茶淹れるね」
散らばった真珠をひとまず集めて小皿に乗せる
と、椿は状況を整理するため、一人キッチンに
身を隠した。
「はい」
「ありがとう」
紅茶が入ったティーカップを差し出すと、椿も席についた。
「これが何なのか、渚さんは何者なのか、教えてもらえる?」
椿は、渚が話しやすいように、努めて落ち着いたトーンで訊ねた。
渚はティーカップを口につけると、紅茶の温かさで、一瞬ほっとしたように視線を落とした。
そして、これからする話を信じてもらえるかどうかを気にしつつ、次の言葉を口にする覚悟を固めた。
「不老の秘密を教える。それが、私をここに置いてもらえる条件だったよね」
渚は、小皿の中の真珠を一粒を指先で転がした。
「それがこれ。人魚の真珠」
「人魚…?」
「私は、人魚の血を引いているの」
「人魚って…」
椿はさらに困惑した。
出会ったときから奇怪だった渚が、また変なことを言い始めたと片付けたいところだが、
目の前にある真珠が、全て現実に起こったことだと物語っていた。
「(一個一個に疑問を持っていたら、話が進まない)」
椿は一旦渚の話を飲み込みことにした。
「泣くと、いつもこうなるの?」
「ううん。感情が昂ったときに、真珠になることがあるの」
「そうなんだ…」
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