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人魚の雫  作者: 麻婆豆子
人魚の目論見

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37/39

人魚の目論見- 2

──

───


「お茶淹れるね」


 散らばった真珠をひとまず集めて小皿に乗せる

と、椿は状況を整理するため、一人キッチンに

身を隠した。



「はい」

「ありがとう」


 紅茶が入ったティーカップを差し出すと、椿も席についた。


「これが何なのか、渚さんは何者なのか、教えてもらえる?」


 椿は、渚が話しやすいように、努めて落ち着いたトーンで訊ねた。


 渚はティーカップを口につけると、紅茶の温かさで、一瞬ほっとしたように視線を落とした。

 そして、これからする話を信じてもらえるかどうかを気にしつつ、次の言葉を口にする覚悟を固めた。



「不老の秘密を教える。それが、私をここに置いてもらえる条件だったよね」


渚は、小皿の中の真珠を一粒を指先で転がした。


「それがこれ。人魚の真珠」

「人魚…?」

「私は、人魚の血を引いているの」

「人魚って…」


椿はさらに困惑した。


 出会ったときから奇怪だった渚が、また変なことを言い始めたと片付けたいところだが、

目の前にある真珠が、全て現実に起こったことだと物語っていた。


「(一個一個に疑問を持っていたら、話が進まない)」


 椿は一旦渚の話を飲み込みことにした。


「泣くと、いつもこうなるの?」

「ううん。感情が昂ったときに、真珠になることがあるの」

「そうなんだ…」



.

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