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こぼれ落ちていく、白い夜-2
その頃、葵の所属事務所では、葵の快挙に沸いていた。
「すごい!葵ちゃん!SNSのトレンドに名前が…!」
SNSのトレンドワードに、椿と共に葵の名前が上がっていて、女性マネージャーが感動していた。
葵の事務所は、規模が小さい俳優事務所だ。
事務所の名前で仕事を取れるなんてことはなく、誠実にオーディションやエキストラ同然の仕事をこなしながら、やっと掴んだ広告の仕事だった。
「ありがとうございます…!
でも、これは椿さんの実力と知名度があってのことなので…。これからは自分の力で話題になれるように頑張ります!」
「葵〜!私も営業頑張る〜!」
女性マネージャーは葵を思い切り抱きしめた。
葵はその腕の中で、椿に言われたことを思い出した。
『これは演技じゃないけど…ドキドキしてくれる…?』
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事務所からの帰り道。葵のスマホにメッセージが届いた。
《CM公開記念に食事に行きませんか?》
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