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恋を演じる-1
「椿さん、入りまーす!」
現場スタッフの声が、女性誌の撮影スタジオに響いた。
「椿です。よろしくお願いします!」
スタッフとスポンサーたちに拍手で迎えられる中、椿は会釈をしながらスタジオ入りした。
今日の椿の仕事は、高級アクセサリーブランドの広告の撮影だった。
出来上がった作品は、ポスターやCMとして駅や街に掲示される予定だ。
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朝。
椿が仕事に出かける前。
「僕、仕事に行くけど、変な真似しないでよ!?」
「しないもーん!ねー?」
〈ミー♪〉
ラムネは渚の肩に乗り、甘えるようにあやめの頬に頬擦りをした。
「(ほんとかなぁ…?)」
若干の不安を残し、椿は呼んでいたタクシーに乗った。
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