表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人魚の雫  作者: 麻婆豆子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/31

唇と閃光-4

 そんな二人に、マスターは丸めた雑誌で椿の脳天をバシッ!と叩いた。


「ここは盛り場じゃねえ!」

「痛って!! 本気で叩いた!」

「当たり前だ! いい大人が! TPOを弁えろ!」


 そうして二人は、喫茶店から追い出された。



 この時点で渚を突き放せばよかったのに、なぜか手放し難くなって、椿は素性も分からない渚を連れて帰ってしまったのだった。

 



──

───



「で。さっさと不老の秘密を教えてくれない? 渚さん?」

「教えたら私を追い出す?」

「うーん……」

「じゃ、簡単には教えない」

「ていうか、120歳って何なの? 全然面白くない」

「面白いとかじゃなくて、事実だもん」

「……」



 飄々とはぐらかし続ける渚に、椿は疲れを感じ始めた。


「……もういい。好きにしろ」

「やった!」


 渚はラムネを抱き上げ、「よろしくね〜」と言いながら背中を撫でた。


「(梨花には全く懐かなかったのに)」


 ラムネはすっかり渚に懐き、腕の中でご機嫌そうにしている。


「(ラムネなりに、何か感じるものがあるのだろうか)」


 


 観察するように様子を見ていると、渚はその視線に気付いた。


「あ! 安心して。私、スマホ持ってきてないし、このことを誰かに言ったりできないし、言うつもりもないから」

「……でも、行方不明で大騒ぎになるんじゃ……?」

「大丈夫。大騒ぎなんてできないよ」


 渚の表情は、確信に満ちていた。



「ねえ、どこから逃げてきたの?」

「どこだろうね〜」

「おい」

「私、もう眠たい」

「自由かよ」


 椿はゲンナリした顔で、廊下の方を指さした。


「客間。廊下に出て右のドア」


 ぶっきらぼうな椿に、渚は胸の前で手を組み、小首を傾げてみせる。


「えぇ……一緒に寝てくれないのぉ?」

「寝るか!」





.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ